テニスから学ぶ、うつ病者のメンタルトレーニング | 社会保険労務士事務所 全国障害年金パートナーズ
テニスの全米オープン、
錦織選手の準優勝、おめでとうございます!
決勝戦は残念でしたが、
優勝は次の4大大会に持ち越しですね。
ところで、
テニスってメンタル状態が非常に重要で、
パフォーマンスや試合結果に大きく影響するって知ってましたか?
メンタルが良いときは格上の選手にも勝てますが、
メンタルが悪いと自分より下手な選手にもあっさり負けることがあります。
そのため、一流のプレイヤーはメンタルトレーニングを重視しています。
色々なメンタルトレーニングがあるのですが、
絶好調だったときの過去の自分を思い出すことで
パフォーマンスを上げるという方法があります。
テニスで例えると、
体のキレが良く絶好調だったときの試合を思い出します。
その際、ただ試合結果だけを思い出すのではなく、
その時の天気、体感温度、汗の具合、観客の声援、コートの色、
ボールの汚れ具合、相手の顔や仕草、自分の体の動きや感情など、
様々な事をできるだけリアルに思い出します。
そうすると、脳が絶好調時の感覚を再現し、
実際にパフォーマンスが上がるのです。
なぜ良い時の状態を思い出しただけでパフォーマンスが上がるかについてですが、
それは、脳が思い込みと事実を区別できないからだといわれています。
例えば、身動き取れないように縛られた人の前でタバコに火をつけ、
「今から根性焼きを行う」
といって目隠しさせて氷を腕に押しつけると、
脳が火傷をしたと感じて水ぶくれができることがあります。
他にも、ノンアルコールビールを普通のビールといって飲ませると、
アルコールが入ってないのに酔ってしまうことがあります。
どちらも共通しているのは、脳の「思い込み」です。
自分が真実だと思い込んでしまうと
それが事実でなくとも脳は事実として認識し反応するのです。
これを応用して試合前に良い状態を意識することで、
体が絶好調時の動きを再現するのです。
このようなイメージトレーニングはスポーツ全般に使えますが、
うつ病で気持ちが沈んでいるときにも使えます。
例えば、うつ病の症状の一つでこれまで楽しめていた趣味が
楽しめなくなるということがあります。
そのような場合には、本当に楽しかったときのことを
詳細に思い出すのです。
そうすることによって、
脳が楽しかったときの気持ちを再現し、
楽しむことができるようになります。
ただ、言葉で言うほど簡単ではありません。
過去の記憶をリアルにイメージしなければなりませんし、
ある意味自分自身を本気で騙さなければなりません。
心の片隅に否定する自分がいるとうまく効果が出ません。
また、イメージトレーニングの効果は
短時間で収束することも多いものです。
イメージトレーニングだけでうつ病を治すというよりも、
投薬治療や適度な運動、心理療法などと組み合わせて
鬱病治療に取り組むことが重要です。