年金事務所の障害年金に対する相談・受付マニュアル

障害年金の手続きは大変煩雑なため、
年金事務所の職員によってある程度対応が異なります。
とはいえ、職員によってあまりのも対応が違うのは問題となりますので、
日本年金機構も「国民年金・厚生年金保険　年金給付業務処理マニュアル」
というのを作成しています。
このマニュアルには、電話や窓口で障害年金の相談があった場合の
具体的な対応方法について記載されています。
その中でも、うつ病をはじめとした精神疾患によって障害年金の手続きを行う
私たちに関係が深いと思われる事項をまとめました。
もしあなたが一人で年金事務所に相談にいくなら、
参考になるでしょう。
【相談者の確認】
①配偶者以外の人が代理人であるときは、委任状を持参した場合を除き一般的
な受給資格についてのみ回答する。
②代理人が委任状を持参している場合は、本人が来所したものとして回答する。
　本人が来所出来ない場合、うつ病などの症状について詳細が分かる人の来所
を促す。
【相談方法】
①障害年金については、初診日の確認、障害状態の確認等聴取する内容が多岐
にわたるため、本人の来所による相談が望ましいことを説明する。
②障害年金の場合、請求手続きまで段階を踏むため、進捗状況の把握ができる
　よう障害年金相談票を作成する。
【制度に関する説明】
受給資格要件、年金額、加算額、支払期日などを説明する。
【請求に関する説明】
①障害基礎年金請求書の用紙は、年金事務所または市区町村役場の窓口で
　配布する。
②必要に応じて添付書類一覧、書き方見本等を請求書と一緒に配布する。
【提出方法の説明】
①請求書の提出は、障害認定日以降であれば可能である。
②窓口に請求書を持参する他、送付による提出が可能である。
③紙による請求の他、電子申請が可能である。
④障害厚生年金を同時に請求する場合の提出先は、原則として最後に勤務した
　事業所を管轄する年金事務所である。
　請求書は事務センターに送付してもよい。
⑤国民年金第1号被保険者期間中、または国民年金被保険者資格喪失後
　60歳から65歳未満で日本国内居住の間に初診がある場合、20歳前傷病による
　年金請求の場合の請求先は、住所地の市区町村役場となる。
⑥障害基礎年金の審査等については時間を要することを説明する。
⑦請求書の受付および相談については、全国どこの年金事務所または街角の
　年金相談センターでも行っている。
【添付書類の説明】
①加算対象者がいるときは、戸籍謄本などが必要となる。
②20歳前傷病による障害基礎年金の請求の場合は、請求者本人の所得証明が
　必要である。
③障害の原因が第三者行為による場合は、第三者行為事故状況届などが必要。
【書類の作成】
①申請・届出の書類については、本人が作成する。また、本人に依頼されて
　代理人が作成する場合は、委任状が必要である。
②年金事務所等の窓口、相談コーナーで職員と対面式等により、
　本人・代理人が書類を作成する。
③職員は、本人が病気やけがなどの身体的理由から書類が作成できず、
　面談により書類作成の依頼があった場合に限り、書類を代筆作成できる。
【返戻と補正】
①本人が作成した届出・申請書等の書類について、窓口点検、審査の段階で、
　書類の不備がある場合は、原則、返戻等により本人に不備の訂正を求める。
②明らかな誤字、脱字等の軽微な不備、窓口装置や添付書類で事実確認が
　可能な不備、届出義務に係る通知事項の不備で本人から口頭（電話）で
　確認できたものについては、赤ボールペンにより職員が補正できる。
以上が日本年金機構の相談マニュアルの中で、
うつ病者やそのご家族が把握しておいた方が良い内容です。
とはいえ、マニュアルと異なる対応を無意識にしてしまう職員や
マニュアルにない事例も数多くあります。
間違いが起こらないようにするためにも、
私たち障害年金専門の社会保険労務士が関わることが安心かと思います。