障害年金の決定に納得できないとき、審査請求の前に行うこと

障害年金の請求、額改定請求、更新時の障害状態確認届など、
障害年金には複数の手続きがありますが、
長く障害年金を受給している人ほど色んな手続きを経験します。
その中には、年金事務所の決定に納得いかないこともあるかもしれません。
そんな時に認められている不服申し立て手続きが審査請求です。
しかし、審査請求を行うにはそれなりの専門知識が必要で、
自分一人で行うには敷居が高いのが現実ではないでしょうか。
でも、すぐには悲観しないでください。
役所の決定に疑問や不満があるとき、
審査請求を行うよりも簡単に問題を解決できる場合があります。
障害年金の請求を却下されたり不支給となったときなどは、
すぐに審査請求を考えるのではなく下記の対応が可能か検討しましょう。
もちろん自分一人で進めるのではなく、
年金事務所や市区町村、共済組合などと相談しながら進めて下さい。
【説明を求める】
不支給決定などの理由を求め、決定に誤りがないかを検討する。
【再提出】
添付書類の不足や記載事項の誤りといった場合は、
不足・不備を訂正して再度提出する。
【再請求】
通常、障害年金の請求結果に納得がいかないからといって、
再度同じ請求手続きをすることはできません。
再請求を認めてしまうと、審査請求・再審査請求・行政訴訟という
不服申し立て制度が意味をなさなくなってしまうからです。
しかし、最初の請求の内容が誤っていた場合、
審査請求でそれを主張するより再度障害年金の請求を行う方が合理的です。
例えば、診断書作成医が本人の症状や障害状態、日常生活状況、就労状況
などを正しく記入しておらず、明らかに実態と異なるような場合です。
あまり知られていませんが、
このような場合には障害年金を再度請求することも可能です。
ただし、役所側から見ると同じ障害年金請求で診断書の内容が大きく変わる
ことになります。
そのため、役所が定める医療機関への「再診断」を求められる
可能性もあるのでご注意ください。
この再請求は不服申し立て制度に反するものであり、
あくまでも例外的な対応方法ですので、安易に行わないようにしてください。
【再調査を申し出る】
書類不備などで返戻された場合に有効なケースが多いです。
日本年金機構の「障害給付事務取扱要領」でも、
不支給・却下処分後において、本人からの申し出により不支給・却下処分に
誤りが判明したときには、この処分を取り消し、改めて裁定を行うと
されています。
役所の担当者の認識誤りなどで返戻されることもありますので、
そのような場合には再調査を申し出るのが効果的です。
【請求方法を変える】
認定日請求を行っていた場合、事後重症で改めて請求する。
【更新後の額改定請求】
更新時に前回より症状が悪化しているにも関わらず等級に変更がなかった場合、
額改定請求を行う。
いかがでしたか。
以上が役所の決定に納得いかないとき、
審査請求の前に検討すべきことです。
審査請求に比べればハードルが低いとはいえ、
やはり難しい内容も多いです。
私が書いた他の記事も役に立つと思いますので、
ぜひ参考にしてくださいね。