障害年金の請求書の作成を年金事務所の職員に頼むことはできるか？

障害年金の請求において、自分で書類を作成すると誤りや記入もれなどが心配
なので年金事務所の職員に書いてもらうことはできないか、
と思うことがあるかもしれません。
ただ、実際に年金事務所の職員に代筆を依頼しても
断られると考えて下さい。
年金事務所の立場で考えると分かりますが、
書類作成といった障害年金の請求行為は本人が行うべきことであって、
年金事務所の職員の仕事ではありません。
また、代筆した職員が誤った請求書等を作成してしまった場合、
誰が責任をとるのかという問題が発生することを考えても、
書類の代筆を喜んで承諾してくれる職員はいないでしょう。
しかし、障害年金の請求を行うのは健常者ではなく障害者です。
障害をもっている人達の個別の事情によっては、
請求書や病歴・就労状況等申立書の作成が困難なこともあります。
そこで、日本年金機構の「国民年金・厚生年金保険　年金給付業務処理マニュアル」には、
原則として職員が障害年金の書類を本人に代わって作成することはできないが、
病気やけがなどのやむを得ない事情で書類の作成ができない場合は、
職員が障害年金の請求書等を代筆作成できると書かれています。
そのため、ケガや病気によって障害年金の請求書等を自分で作成できない
ときには、年金事務所の職員に代筆を依頼するのも選択肢の一つです。
年金事務所の職員に代筆を依頼するメリットとしては、
自分で作ることに比べて記入漏れのリスクが少ないことと、
分からないことがあればその場で説明してくれるということです。
これは一見良いことのようにみえますが、
障害年金の専門家の立場からはお勧めできません。
年金事務所の職員に障害年金の書類を代筆させてはいけない理由は、
次の二つです。
理由①：窓口職員が障害年金に精通しているとは限らないから
⇒相談の多い老齢年金については窓口職員も詳しく知っていますが、
障害年金は相談件数も少なく専門性が高いため、詳しく知っている職員は
少ないのです。
理由②：年金事務所は審査をする側なので、請求者側に立つことができないから
⇒年金事務所は障害年金の審査をする側であり、役所という立場上皆に公平で
なくてはなりません。
つまり、特定の人だけが有利になるように書類の作成段階でアドバイスをする
ことができません。
書類の記載方法についても、どのような状況でどのように記載すれば
障害年金が認定されるかといった発言もNGとなっています。
年金事務所が手伝えるのは、
「役所として受理できる書類の作成」
だということを覚えておいて下さい。
結局、年金事務所の職員に代筆を依頼するということは、
あなたの将来に大きな影響を及ぼす障害年金の手続きに全力をつくさない
ということに他なりません。
同じ書類作成の代行をしたとしても、
「あなたが障害年金を受給して安心して療養に専念すること」
を目的としている社会保険労務士とは大きく異なるのです。
障害年金の手続きは、その専門性の高さから専門の社会保険労務士に依頼
することを推奨していますが、それが難しい場合でも年金事務所の職員に
任せきりにはしないでください。
最終的には自分たちで手続きするのだという意識を持って、
あなたやご家族で協力して手続きに取り組みましょう。
そのためにも、全国障害年金パートナーズのブログや無料の特別レポートは、
きっとあなたの助けになるでしょう。