双極性障害におけるミトコンドリアとセロトニンの関係

From：宮里竹識
つくばの自宅より、、
あなたはミトコンドリアと聞いて何を思い浮かびますか？
ちなみに私はミトコンドリアと聞いて
「パラサイト・イヴ」
というホラー小説が真っ先に思い浮かびました。
この本はミトコンドリア遺伝子の反乱を描いた
SFホラー作品で映画・漫画・ラジオにもなっています。
私が高校生の時に発表された作品ですが、
恐怖におののきながらも夢中になって読んだものです。
いきなり脱線しました。
今日の記事はホラー作品の紹介ではありません。
ミトコンドリアと双極性障害について話をしたいのです。
双極性障害とは
その名の通り躁とうつが交互に繰り返される病気です。
その発症メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、
セロトニン神経伝達の変化に原因があるのではと
考えられています。
また、双極性障害患者の脳の測定などから
ミトコンドリア機能障害が双極性障害の発症に関与している
可能性があるとの研究もありました。
今回理化学研究所をはじめとした研究チームが
ある実験を行いました。
その実験とは、
脳にミトコンドリア病の遺伝子変異を持つマウスを作成し
解析したのです。
その結果、
マウスの脳ではセロトニンお活動が亢進していることが分かりました。
このことから、
双極性障害においてはミトコンドリア機能障害と
セロトニン神経伝達の変化という二つの病態が繋がっているということが
分かってきたのです。
ちょっと難しい話になってしまったのですが、
要はミトコンドリアとセロトニンの関係の研究が進むことで
双極性障害の新しい治療法の開発に繋がるかもしれないというわけです。
双極性障害とは中々厄介な病気です。
特に躁状態になると過度に元気に見えるため、
うつ病とは違った意味で誤解されることも多いのです。
でも、
躁状態になると自分はなんでもできると思ってしまい
ギャンブルに走って借金をしてしまったり
人の話を聞かなくなって対人関係が壊れてしまうこともあります。
普通の人が想像するよりも大変な病気なんです。
そんな双極性障害ですが、
今回のミトコンドリアとセロトニンの研究により
病気の原因解明や治療が進むことを願っています。