障害年金で重要な「日常生活状況」とは（2）：適切な食事について

うつ病で障害年金を受給するためには、障害の状態が障害等級に該当していることが必要になります。
この障害等級の判断を行うにあたって最も重要になってくるのが、
診断書の「日常生活状況」です。
そして、診断書の日常生活状況は次の７項目ごとに分けて
考えることになっています。
今回はその７つの項目の一つ目、「適切な食事」について話をしていきます。
適切な食事について、診断書には「配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど」と記載されています。
ポイントを小分けに解説すると次のようになります。
「配膳などの準備」には、調理や片付けが含まれます。
「適当量をバランスよく」には、食事量の過不足なく、３度の食事をほぼ決まった時刻に、栄養バランスも考えられた食事を自分一人でも考え・行動し・行うことができるということです。
診断書の作成を依頼した場合、医師から「食事は適切に食べてますか？」と聞かれ、「はい、食べてます」と答えたとします。
この場合、医師は診断書の適切な食事欄を「できる」にチェックしてしまいます。
はたして、これが適切な診断書をいえるのでしょうか？
答えは否です。
こんなやり取りでは、朝昼晩と３食を決まった時刻に食べたのか分かりません。
自分で栄養バランスを考えられたのかも分かりません。
家族などの支援者が作った食事を自室で適当な時刻に食べたのかもしれません。
「適切な食事」を含めた日常生活状況は次の４段階で評価します。
第１段階：できる
第２段階：自発的にはできるが時には助言や指導を必要とする
第３段階：自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
第４段階：助言や指導をしてもできない若しくは行わない
簡単なヒアリングで適切に食事「できる」と評価されては困るのです。
次のような形で、できるだけ具体的に日常生活状況をまとめていきましょう。
（１）適切な食事
評価：自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
状態：食事は妻が調理し、朝と夜の２回本人の部屋の前に運んで置いておきます。
本人の気分や体調しだいで食事を不定期の時刻に行います。
食後の食器は部屋の前にそのまま放置されているので、
食器洗いは妻が行います。
本人が自分から食事を食べたいとか言ってくることはなく、
２日に１回は食事に手をつけずに残される状態です。
以上が日常生活状況の（１）「適切な食事」の説明となります。
次回は、（２）「身辺の清潔保持」について説明していきます。