障害年金申請の準備：障害に至った経緯と障害の状態をまとめてみよう（その３）

前回までに障害年金申請の準備として、病名の確認と初診日の確定について話をしてきました。
今回は、初診日から障害認定日までの受診の経過をまとめることについて話をしていきます。
受診経過をまとめる上でのポイントは、
①初診の医療機関での状況
②障害認定日以後３ヶ月以内の受診状況
③障害認定日から１年以上経過している場合は、現在の受診状況
が必要になってくる点です。
状況については、症状の概要、治療内容や受診頻度などを分かりやすくまとめておきましょう。
うつ病をはじめとした精神障害の場合は、日常生活状況が認定に大きく影響してきますので、できるだけ詳しく書き出しておいてください。
また、障害認定日頃と現在の就労状況の確認も重要です。
就労していた場合は、通勤の方法、出勤日数、仕事の内容と仕事中および終業後の体調について記録しておきましょう。
これは、就労の状況をみて障害の程度を判断するためのものです。
多くのうつ病の方が陥ってしまう注意点としては、自分の障害を認めることに無意識に抵抗して、自らの状態を軽度に表現してしまうことです。障害年金は「保険」ですので、うつ病という保険事故が生じている以上は自分の状況を客観的に書き出すことが重要です。良い状態を基準にするのではなく、悪い状態を基準にすることも一つのポイントです。
就労していなかった場合は、その理由と毎日どのように過ごしていたのかを記録しておきましょう。
特に、次のうち自分がどの状態にあったかを明確にしておきましょう。
（１）普通の日常生活ができる
（２）ほとんど家の中にいるが、時々散歩にでる
（３）身のまわりのことはできたが、１日中家にいる
（４）身のまわりのことはかろうじてできるが、１日中寝ている
（５）身のまわりにこともできず、常に他人の解除が必要で、１日中寝ている
（５）に近づくほど障害の状態が重いとされていきます。
また、これもうつ病による障害年金の手続きにおいては重要なことですが、「日常生活において不便を感じていたこと」をまとめておいてください。この情報も障害等級を認定するのに重要な判断材料となります。
ここまでで障害年金申請の準備として、障害に至った経緯と障害状態をまとめることについて説明しました。
障害状態の詳細や実際の書類の書き方などはまた別の記事で説明したいと思いますが、この準備段階でどこまで詳細な情報を得られるかが障害年金受給のキーポイントになりますので気を抜かないようにしてください。