【認知行動療法】自動思考の根拠と反証

1．自動思考のゆがみに気づく

自動思考とは、その場でパッと頭に思い浮かぶ思考のことで、
認知（考え方）の一種です。
認知行動療法では、認知のゆがみを修正することが重要ですが、
まずは自動思考の根拠を考え、それに反証するトレーニングを行うことが
有効です。
ステップ①：自動思考を書き出す
ステップ②：自動思考が事実であるといえる根拠を書き出す
この根拠とは、単なる主観ではなくできるだけ客観的な事実をもとに
考えるようにしましょう。
ステップ③：自動思考が事実でないことを示す反証を書き出す
自分の自動思考を分析し、反証を書き出すのは慣れるまでは
難しいかもしれません。
しかし、いかに多くの反証をあげられるかがここでのポイントです。
ステップ④：事実に基づく適切な思考を書き出す
この４つのステップをふむことで自動思考のゆがみに気づき、
認知を修正していくことができます。
 

2．自動思考を反証するトレーニング例

ここでは、自動思考の根拠とそれに反証するトレーニングの例を
紹介します。
ステップ①：自動思考を書き出す
今月は営業で結果が出せず、上司に叱責されてしまうだろう
ステップ②：自動思考が事実であるといえる根拠を書き出す
●結果を出せなかった先輩や同僚は容赦なく叱責されている
●毎年新入社員の半分は退職している
●会社の言うとおりに動けない社員は必要とされないんだ
ステップ③：自動思考が事実でないことを示す反証を書き出す
●まだ結論が出てないのに営業で結果が出せないという判断は、早計だ
●結果を出せずに叱責される社員がいるのは事実だが、
自分もそうだとは限らない
●退職者は多いが、仕事についていけずに辞めた人ばかりとは限らない
●営業成果を出す方法は分からないが、まずは成績の良い先輩に相談しよう
●これまでも不安に感じたことはあったが、たいていは何とかなった
●もし上司に叱責されたとしてもそれでクビになるわけではないし、
人生が終わるわけでもない
ステップ④：事実に基づく適切な思考を書き出す
●まだ時間はたっぷりあるので、営業で結果がでるかはやってみないと
分からない
●良い結果を出すために、成績の良い先輩の方法をまねしてみよう
●もし今月の成績が悪くても、やり方を見直して来月頑張ろう
●上司に叱責されたとしても、私の人生が終わるわけではない
 

3．まとめ

自動思考を明確にしてその根拠と反証をあげることで
認知のゆがみを修正するという方法を紹介しました。
慣れるまでは大変ですが、
認知行動療法はうつ病を治すのに効果的ですので、
ぜひチャレンジしてみてください。