自分をほめてみよう！

1．相対評価と絶対評価

人は誰でも、自分を評価するときは他の誰かと比べてしまうものです。
Aさんよりも仕事ができるとか、
Bさんよりもおしゃべりだ、
といった感じです。
この自分と他人を比べる評価方法を「相対評価」といいます。
一方で、他人と比べることなく自分自身の価値を
無条件に認める評価方法を「絶対評価」といいます。
小さな子どもは絶対評価で物事を判断していることが多く、
成長するほど相対評価で判断するようになっていきます。
うつ病の人は、
相対評価でも絶対評価でも自分を低く評価している傾向があります。
 

2．自己肯定

自己肯定感とは、自分はいつもOKだと思い、
自分自身を大切にする考え方をいいます。
うつ病の人は、いつも自分のことが嫌いだったり、
自分に対して否定的だったりします。
このような自己否定的な考えは、
やはり精神的にもよくありません。
何とかして健康的な「自己肯定感」を取り戻す必要があります。
 

3．自分をほめる

自己肯定感を意図的にもつようにできれば、
自己否定による脳のストレスも軽減され、
うつ病も回復へ向かっていきます。
自己肯定感を高めるためには、自分をほめるのが一番です。
他の誰かと比べる相対評価ではなく、
絶対評価で自分をほめてみましょう。
まずはあなたの長所を10個紙に書き出してみて下さい。
「他人の気持ちが分かる」
「人に迷惑をかけないようにしている」
など、何でも良いので長所を書き出して自分をほめてみてください。
最初の数個はすぐに出てくるでしょうが、
長所を10個書き出すのは難しいかもしれません。
そのような場合は、
自分の短所を書き出し、それを長所に変換してみましょう。
たとえば、「行動が遅い」という短所があったとします。
行動が遅いということは一見短所に見えますが、
「丁寧に行動する」という長所に言い換えることもできます。
ちょっとした言葉遊びの感覚で、自分の短所を長所に変換してみましょう。
 

4．自分をほめると何が起こるか？

自分の長所を10個書き出し、自分自身をほめてみましたか？
このとき、あなたの感情はどうなりましたか？
きっと、「うれしい」とか「幸福」な感情をもったと思います。
他人からほめられると幸福な感情が芽生えますが、
自分で自分をほめても幸福感を感じることができるのです。
うつ病で苦しんでいる人は他人から褒められる回数は
それほど多くないケースがほとんどです。
なので、自分で自分をほめ、幸福感を高めて下さい。
これを継続すると自己肯定感に満たされ、
うつ病治療が促進されます。
だまされたと思って、一週間だけ試してみて下さい。