「自殺するくらいなら早く会社やめればいいのに」と簡単にいうけどさ･･･

From：宮里竹識
つくばの自宅より、、
私はうつ病による障害年金専門の社労士という仕事がら、
多くのうつ病者から相談を受けます。
その中で、
たくさんのうつ病者が同じことを言われていたことが分かりました。
それは、家族や友人たちに言われた次のような言葉です。
「自殺を考えるほど仕事が辛いなら、早く会社をやめなよ」
もしかしたらこの記事を読んでいるあなたも
同じようなことを言われたことがあるかもしれません。
少し私の昔話をしたいと思います。
当時私は社労士事務所に勤務している社労士で、
顧問先の企業から労務相談を受けていたり、
給与計算や社会保険手続きをしていました。
また、マネージャーとしてチームのマネジメントを行ったり
新規客への営業など、数多くの業務をこなしていました。
仕事はとても忙しく、
朝4時半に起床して会社へ向かい、
帰宅するのは夜中の1時を回っているという生活が
5年ほど続いていました。
あまりの忙しさから家族からは
「このままじゃ体を壊すから、あんなブラックな会社は辞めた方がいい」
といわれていました。
しかし仕事には充実感を感じていましたので
私はがむしゃらに仕事を続けました。
そんなある日の朝、
まだ夜が明ける前に通勤電車に乗るときに事件は起こりました。
電車がホームにやってくるとき、
私は無意識に走ってくる電車に向かって足を踏み出していたのです。
電車の車掌が私に気がつき、
大きなクラクションを鳴らしたことで私は驚き、
正気に戻りました。
あと2歩足を踏み出していれば、
駅のホームに転落し電車の下敷きになっているところでした。
冷静になった瞬間、冷や汗が吹き出してきたのを覚えています。
別に私は自殺したかった訳ではありません。
むしろ仕事にやりがいを感じ、
意欲的に働いていました。
そんな私でも、
月に100時間を超える残業を5年も行っていたことで
無意識に体が死へ向かって動いていたのです。
冷静さや判断力なんてものが欠如してしまっていたのです。
本当に過労状態が続いていると、
生きたいとか死にたいとか
考えることすらできなくなってしまうことがあるのです。
判断力がなくなった状態で
無意識に死を選んでしまうこともあるのです。
だから、
「自殺を考えるほど辛いなら、早く会社をやめればいい」
という言葉には違和感を覚えることがあります。
もちろんその言葉は正しいのですが、
場合によってはそんな判断ができない状況になってしまうことがあるからです。
私が言えることは、
「まだ大丈夫」
「まだ頑張れる」
と思えるうちに体を休めてほしいということです。
判断力がなくなるまえに体を休め、
心療内科や精神科を受診してください。
すでにうつ病になってしまったという人は
早く休職して療養に専念してください。
病院に通い出してから1年6ヶ月してもうつ病が治らず、
仕事もできない状態が続いているなら
障害年金が受け取れるかもしれません。
ぜひ障害年金を受け取って経済的不安を解消してください。
ただし、うつ病になっている人は理解力や判断力、行動力が低下しているため、
自分で障害年金の手続きを行うことは容易ではありません。
無理して自分でやろうとせず、
障害年金専門の社会保険労務士に助けを求めて下さい。