ありえない提案をしてきた共済組合

From：宮里竹識
研究学園の喫茶ルーブルより、、
障害年金の手続きには、
様々なトラブルが起こります。
人によってその内容は異なりますが、
何かしら予期せぬ出来事が起こると考えていた方が無難と言えます。
つい先日も、
障害年金の書類を提出したばかりの共済組合から
こんな提案がありました。
「認定日請求をやめて事後重症にしませんか？」
認定日請求というのは過去に遡って障害年金を請求すること、
事後重症というのは将来に向かってのみ障害年金を請求することです。
今回は５年以上前に遡って請求する認定日請求を行ったところ、
共済組合から事後重症にしませんかと連絡があったのです。
一応、なぜこんな過去の年金を諦めさせるような提案をするのか
共済組合の話を聞いてみました。
すると、
直近は傷病手当金を受けているので障害年金が認められても調整が入る、
過去の分は共済組合在籍中なので障害共済年金は支給停止になる、
だから遡って障害年金を請求しても受け取れる金額が変わらないので、
事後重症に変更しないか、ということでした。
なるほど。
とりあえず共済組合の言い分はわかりました。
そこで私は、
共済組合の人にこう訪ねました。
「確かに障害共済年金は遡って請求しても意味はないかもしれませんね。
ただ、遡って２級が認められた場合、障害基礎年金も支給されます。
こちらは傷病手当金の調整があったとしても最大１年６ヶ月ですので、
残りの３年６ヶ月分の障害基礎年金が受け取れると思います。
この部分の年金をあきらめてほしいという意味でしょうか？」
すると共済組合は、
「ちょっと確認します」
と言って電話を切りました。
それから数日経ちますが、
共済組合から連絡はありません。
確かに共済組合の言いたいことは分かるんですよ。
傷病手当金や生活保護といったもので調整が入る場合、
過去に遡って障害年金を請求するメリットがないケースもあります。
それなら事後重症にした方が審査も簡単になりますからね。
ただ、そうでないケースもあるのです。
今回は共済組合の話でしたが、
年金事務所や市区町村でも似たようなことが起こりえます。
障害年金はとても複雑な制度で、
役所から間違った案内をされることが度々あります。
役所の人は人事異動で数年ごとに異動しますので、
障害年金のことがわかってきたら異動ということがありますので、
窓口にいる職員が障害年金に詳しくないということは意外とよくあります。
実際、役所の職員が誤った説明をしたことで障害年金を受け取れず、
裁判を起こして本来もらえるはずだった年金を請求し、
それが認められたという事例もあります。
別に私は役所の人を責めたいわけではありません。
それだけ障害年金というのは複雑で大変な手続きなのだと
言いたいのです。
特にうつ病で障害年金を請求する場合、
意欲や行動力、判断力といったものが低下している中で
一人で手続きを進めるのはとても大変です。
だからこそ、
私たちのような障害年金専門の社会保険労務士がいるのです。
私が直接サポートできるのは月に１０名までなので、
うつ病で障害年金を検討している方、
自分でやるのが難しいと感じたら、早めに全国障害年金パートナーズへ依頼ください。