非定型うつ病で障害年金は受給できる?審査で見られるポイントを社労士が解説

「好きなことはできるのに、仕事は続けられない自分は甘えているだけなのだろうか」

「非定型うつ病は普通のうつ病と違うから、障害年金の対象にならないのではないか」

非定型うつ病の症状を抱えながら、障害年金を受け取れるのか悩んでいる方は少なくありません。気分に波があり、良いことがあると一時的に元気になる特徴があるため、周囲や自分自身に症状の重さが伝わりにくいという難しさがあります。

この記事では、非定型うつ病で障害年金を受給できる可能性、受給のための要件、審査で状態が伝わりにくいといわれる理由、申請で押さえるポイントを解説します。

累計3,000名以上・年間約500名の障害年金受給をサポートしている私たち「全国障害年金パートナーズ」の宮里が、非定型うつ病の障害年金についてわかりやすくお伝えします。

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非定型うつ病でも障害年金は受給できる?

結論からいうと、非定型うつ病であっても、要件を満たしていれば障害年金の対象になり得ます。非定型うつ病には、次のような特徴があるとされています。

  • 良いことがあると気分が上向く
  • 過眠や過食がみられる
  • 体が鉛のように重く強い倦怠感がある
  • 他人の言動に敏感になる

障害年金の審査で見られるのは、こうした特徴のある症状によって、食事や身の回りのこと、対人関係、就労がどの程度制限されているかです。病名だけで受給の可否が決まるわけではなく、診断名や病態、症状の経過、日常生活や就労の制限を総合的に判断します。

名前が似た病態に「非定型精神病」がありますが、非定型うつ病とは異なる状態を指す名称です。診断名は主治医が判断するものであり、正確な診断名はご自身の主治医にご確認ください。

非定型うつ病で障害年金を受給するための3つの要件

非定型うつ病で障害年金を受給するための3つの要件

非定型うつ病で障害年金を受給するには、3つの要件をすべて満たす必要があります。初診日要件、保険料納付要件、障害状態要件の3つです。

ここでは、3つの要件がそれぞれどのようなものかを順に説明します。

初診日が制度で定められた期間内にあること(初診日要件)

初診日とは、非定型うつ病の症状で初めて医療機関を受診した日を指します。

注意が必要なのは、「非定型うつ病」という診断を受けた日と、初診日が異なる場合があることです。たとえば、不眠や倦怠感で先に内科を受診し、その後に精神科へ転院して診断を受けた場合、精神症状で最初に受診した内科の受診日が初診日となることがあります。

初診日に国民年金と厚生年金のどちらに加入していたかによって、受け取る障害年金の種類が変わります。

保険料の納付要件を満たしていること(保険料納付要件)

障害年金を受給するには、原則として、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、保険料を納付した期間と免除された期間の合計が3分の2以上あることが必要です。

ただし、初診日が2036年3月31日までにあり、初診日時点で65歳未満の場合は、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、納付要件を満たします。

また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料の納付要件は問われません。ご自身の納付状況は、年金事務所で確認してみてください。

障害の状態が認定基準に該当すること(障害状態要件)

障害状態要件では、障害認定日時点の状態が審査の対象になります。障害認定日とは、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。

障害認定日時点で、非定型うつ病の症状によって日常生活や就労がどの程度制限されているかを踏まえ、各等級に定められた状態に該当するかどうかが判断されます。

個別の受給の可否や等級は、初診日、保険料の納付状況、障害の状態、提出書類の内容などを踏まえた審査によって決まります。状況によって結果は異なるため、一律に判断することはできません。

なお、障害認定日に基準を満たしていなくても、その後症状が悪化して基準に該当した場合は、事後重症による請求ができることがあります。請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。

非定型うつ病の障害年金が難しいといわれる理由

非定型うつ病の障害年金が難しいといわれる理由

非定型うつ病の障害年金は、症状の特徴によって審査で状態が伝わりにくく、難しいといわれることがあります。気分の波や「好きなことはできる」という状態が、実際の支障よりも軽く受け取られやすいためです。

ここでは、非定型うつ病の障害年金が難しいといわれる3つの理由を説明します。

気分反応性により症状が軽く見られやすいため

非定型うつ病には、良いことがあると一時的に気分が上向く「気分反応性」という特徴があるとされています。

良い時の状態だけが伝わると、症状が軽いと受け取られやすくなります。実際には日常生活や就労の支障が続いていても、書類の上で伝わりにくいことがあります。

「好きなことはできる」という状態が誤解されやすいため

好きな活動はできるのに、仕事や家事には取り組めないという状態は、周囲だけでなく、本人自身にも「甘え」と誤解されやすいものです。

誤解があると、医師への伝え方や病歴・就労状況等申立書の記載に影響し、日常生活の実態が正確に伝わらないことがあります。

症状の波を客観的に説明しにくいため

過眠、過食、強い倦怠感など、日や時間帯によって変動する症状は、視力や聴力のように数値で示すことができません。

良い時の状態だけが記録に残ると、支障が大きい時の状態が審査に反映されにくくなります。症状の波をどう伝えるかが、非定型うつ病の障害年金では課題になります。

非定型うつ病の障害年金申請で押さえる3つのポイント

非定型うつ病の障害年金では、症状の波や日常生活の支障を、書類の上で客観的に伝えることが大切です。伝え方によって、実際の状態が審査に反映されるかどうかが変わります。

ここでは、非定型うつ病で障害年金を申請するときに押さえたい3つのポイントを説明します。

症状の波を頻度や具体例とともに伝える

非定型うつ病は気分に波があるため、調子の良い時と悪い時の両方について、それぞれの頻度や生活への影響を伝えることが大切です。

過眠で起き上がれない、過食が止められない、倦怠感で外出できないといった状態が、日常生活にどう影響しているかを具体的な言葉にして記載します。

調子の良い時だけを基準に書くと、支障が実際よりも軽く伝わることがあります。診察のときも、症状の波全体について、頻度や生活への影響とともに医師へ伝えることが大切です。

たとえば、週の中で寝込んでいる日が何日あるか、食事や入浴ができない日がどれくらいあるかなど、頻度や具体的な場面を書き添えると、状態が伝わりやすくなります。

日常生活能力の状態を具体的に示す

診断書では、食事、清潔の保持、金銭管理、対人関係など、日常生活の能力が評価されます。自力でできるのか、援助が必要なのかが審査の判断材料になります。

家族が食事の準備や声かけ、金銭管理などを手伝っている場合は、その具体的な内容を示すことが重要です。仕事はできていても、家に帰ってからの状態に支障があるなら、その実態を正確に伝えます。

診断書と病歴・就労状況等申立書の整合性を保つ

診断書と病歴・就労状況等申立書は、どちらも審査で確認される書類です。両者の記載に食い違いがあると、書類間の矛盾として審査に影響する場合があります。

診断書の内容をよく確認し、病歴・就労状況等申立書と整合性が取れた形で作成することが大切です。申立書の書き方は、次の記事で詳しく解説しています。

非定型うつ病の障害年金に関するよくある質問

非定型うつ病の障害年金について、相談で多く寄せられる質問にお答えします。

非定型うつ病で受け取れる障害年金はいくらですか?

受け取れる金額は、認定される等級と、初診日に加入している年金制度によって異なります。初診日に国民年金へ加入していた方などは障害基礎年金、厚生年金へ加入していた方は障害厚生年金が対象です。障害厚生年金の1級または2級に認定された場合は、要件を満たすと同じ等級の障害基礎年金も併せて受給できます。

障害基礎年金は等級ごとに定額が定められています。障害厚生年金は、これまでの報酬や加入期間によって金額が計算されます。3級は障害厚生年金にのみある等級で、定められた最低保障額があります。

うつ病の障害年金の金額は、次の記事で詳しく解説しています。

働きながらでも非定型うつ病で障害年金を受給できますか?

働いていることだけを理由に、直ちに不支給になるわけではありません。仕事の内容、勤務時間、職場で受けている配慮、欠勤の頻度などが総合的に審査されます。

障害者雇用枠や短時間勤務など、配慮を受けながら働いている場合や、就労は続けていても日常生活に支障がある場合は、受給につながることがあります。働きながらの受給については、次の記事で解説しています。

非定型うつ病の障害年金は一人で悩まず専門家に相談を

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非定型うつ病でも、要件を満たしていれば障害年金を受給できる可能性があります。障害年金は病名だけでなく、日常生活や就労の支障の程度で判断されるためです。

非定型うつ病は気分に波があり、症状が軽く見られやすいという難しさがあります。だからこそ、症状の波全体と日常生活への影響を、診断書と病歴・就労状況等申立書で客観的に伝えることが大切です。

「自分は対象になるのか」「症状の波をどう伝えればよいのか」と迷っている方は、まず現在の状況を整理することから始めてみてください。私たち「全国障害年金パートナーズ」では、現在の状況を整理しながら、受給の可能性を無料で確認できる判定を行っています。

全国障害年金パートナーズは、うつ病をはじめとする精神疾患による障害年金を専門とする社労士事務所です。累計3,000名以上・年間約500名の受給をサポートしてきました。

非定型うつ病のように症状の波が伝わりにくいケースでも、診断書や病歴・就労状況等申立書に日常生活の実態を反映させるお手伝いをします。他の事務所で難しいと言われたケースのご相談も受けています。

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社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ代表
うつ病の障害年金を2400名以上成功させた社労士
宮里竹識(みやざと たけし)は、うつ病の障害年金に特化した特定社会保険労務士です。障害年金を通じて、うつ病で働けない人に経済的な安心を届ける支援を行っています。初診日や病歴・就労状況等申立書の設計、医師診断書の記載支援など、障害年金の実務全体を一貫してサポートしています。

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