精神障害者手帳3級だと障害年金はもらえない?金額や条件を専門社労士が解説

「精神障害者保健福祉手帳3級では、障害年金はもらえないのだろうか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。手帳の等級のなかで最も軽いとされる3級を理由に、障害年金は対象外だと思い込んでしまう方も少なくありません。

結論、精神障害者手帳3級をお持ちの方でも、障害年金を受給できる可能性はあります。障害者手帳と障害年金は別の制度であり、手帳が3級だからといって障害年金がもらえないと決まっているわけではありません。

本記事では、精神障害者手帳3級と障害年金の関係、「もらえない」と言われやすい理由、受給の条件や金額の目安について、うつ病による障害年金を専門とする私たち「全国障害年金パートナーズ」が解説します。

「自分は手帳3級だから対象外かもしれない」と諦める前に、現在の状況を整理して受給の可能性を確認してみてはいかがでしょうか。下記より無料で判定を受けられます。

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精神障害者手帳3級でも障害年金を受給できる可能性はある

精神障害者手帳3級でも障害年金を受給できる可能性はある

精神障害者手帳3級をお持ちの方が「障害年金はもらえない」と考えてしまう背景には、手帳の等級と障害年金の等級を同じものと捉える誤解があります。実際には、両者は別の基準で判断される制度です。

ここでは、手帳3級でも障害年金を受給できる可能性がある理由と、手帳3級の方が障害年金2級と認定されるケースについて説明します。

精神障害者手帳3級だと障害年金がもらえないというのは誤解

「精神障害者手帳3級だから障害年金はもらえない」という考えは、正確ではありません。手帳の等級と障害年金の受給可否は、直接連動していないためです。

障害年金は、手帳の等級ではなく、障害年金独自の認定基準に該当するかどうかで判断されます。手帳3級であることは、障害年金の審査において直接有利・不利に働くものではありません。

審査では、傷病名だけでなく、現在の症状の程度、日常生活でどの程度の制限があるか、就労の状況などが総合的に確認されます。手帳3級をお持ちの方でも、日常生活や就労に相応の支障がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

手帳3級でも障害年金2級が認定されるケースがある

手帳が3級であっても、日常生活に著しい制限があり就労が困難な状態であれば、障害年金では2級と判断される可能性があります。手帳と障害年金では、目的・提出書類・認定基準が異なり、同じ方でも等級が一致しないことがあるためです。

実際に、私たち「全国障害年金パートナーズ」が受給をサポートした20代女性の方は、精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちでしたが、障害年金2級の受給が決まりました。障害年金の年額は約140万円で、次回更新時までに受け取れる総額は約250万円です。

ただし、これはあくまで一例であり、すべての方が同じように認定されるわけではありません。個別の受給可否や等級は、初診日・保険料納付の状況・障害の状態・提出書類の内容などを踏まえた審査によって決まります。

精神障害者手帳3級と障害年金は別の制度

精神障害者手帳と障害年金は名称も似ており、どちらも「等級」という言葉を使うため混同されがちです。しかし、両者は目的も審査する機関も異なる別の制度です。

ここでは、手帳と障害年金がどのように異なるのか、そしてなぜ等級が連動しないのかを整理します。

目的と審査する機関が異なる

目的と審査する機関が異なる

障害者手帳は、税制上の優遇や公共料金の割引、福祉サービスの利用など、生活面での支援を受けるための制度です。精神疾患の場合は、精神障害者保健福祉手帳が該当します。

一方、障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に制限が生じた方の所得を保障するための公的年金制度です。

審査する機関も異なります。精神障害者保健福祉手帳は都道府県・指定都市が交付し、障害年金は日本年金機構が認定します。目的も審査基準も異なるため、手帳の等級がそのまま障害年金の等級になるわけではありません。

手帳の等級と障害年金の等級は連動しない

手帳と障害年金は認定基準が異なるため、等級は必ずしも一致しません。手帳が3級でも障害年金は2級と認定されることがあり、その反対のケースもあります。

これは精神障害者手帳2級の方にも当てはまります。「手帳2級だから障害年金も2級」と考えるのも、同じ誤解です。手帳の等級だけで障害年金の結果を予測することはできません。

手帳と障害年金の関係については、以下の記事でも詳しく解説しています。

「精神障害者手帳3級では年金がもらえない」と言われる3つの理由

手帳3級でも障害年金を受給できる可能性がある一方で、「精神障害者手帳3級では年金はもらえない」と言われることがあるのも事実です。これには、制度上の構造的な理由があります。

ここからは「もらえない」と言われやすい3つの理由を整理します。理由を理解しておくと、ご自身が障害年金の対象になり得るかを判断しやすくなります。

障害基礎年金には3級がないから

最も大きな理由が、障害基礎年金には3級が存在しないことです。障害基礎年金の対象等級は1級と2級のみで、3級という区分はありません。3級があるのは障害厚生年金だけです。

初診日が国民年金加入中、20歳前の年金未加入期間、または日本国内に住む60歳以上65歳未満の年金未加入期間にある方は、原則として障害基礎年金の対象です。この場合、障害の状態が障害年金の「3級相当」にとどまると、1級・2級に該当しないため支給対象になりません。

手帳3級の方の症状が障害年金では2級まで至らないと判断されると、「もらえない」という結果になりやすいという仕組みです。ただし、手帳3級でも障害年金2級と認定されれば、障害基礎年金2級を受給できます。手帳3級であること自体が支給を妨げるわけではありません。

初診日に加入していた年金制度で受給できる等級が変わるから

障害年金は、初診日にどの年金制度へ加入していたかによって、受給できる年金の種類と等級が変わります。初診日とは、障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日のことです。

初診日に厚生年金へ加入していた方(会社員など)は、障害厚生年金の対象となり、3級から支給の対象に含まれます。一方、初診日が国民年金加入中や20歳前の年金未加入期間などにある方は、障害基礎年金の対象となり、2級以上でなければ支給の対象になりません。

つまり、同じ手帳3級でも、初診日の加入制度によって「3級でも障害年金が出る方」と「2級以上でなければ出ない方」に分かれます。

障害厚生年金3級では労働への制限も重視されるから

障害厚生年金3級では、精神障害によって労働に制限を受けているか、または労働に制限を加える必要があるかが重要な判断材料になります。ただし、就労状況だけで決まるものではなく、症状、治療経過、日常生活の状況なども含めて総合的に認定されます。

そのため、手帳3級をお持ちでも、就労の状況によっては障害年金の3級に届かないと判断されることがあります。反対に、就労に大きな支障が出ている場合は、障害年金の3級や2級に該当する可能性があります。

精神障害者手帳3級でも障害年金を受給するための条件

精神障害者手帳3級でも障害年金を受給するための条件

手帳3級をお持ちの方が障害年金を受給するには、手帳の有無や等級ではなく、障害年金の受給要件を満たしているかどうかが問われます。

本章では、障害年金の受給に必要な3つの要件と、働きながら受給する場合の考え方を説明します。

障害年金を受給するには、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つをすべて満たす必要があります。それぞれの確認内容は以下のとおりです。

スクロールできます
要件確認すること
初診日要件初めて医師の診療を受けた日はいつか。その時点でどの年金制度に加入していたか。
保険料納付要件年金保険料の納付済期間と免除・猶予期間が、所定の条件を満たしているか。
障害状態要件障害の程度が、定められた等級に該当しているか。

保険料納付要件は、原則として、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除・猶予期間を合わせた期間が3分の2以上あることです。一定の条件を満たす場合は、初診日のある月の前々月までの直近1年間に未納がないことでも要件を満たします。なお、20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合、保険料納付要件はありません。

3つの要件のなかに、「障害者手帳を持っていること」という条件は含まれていません。そのため、手帳を持っていない方でも、要件を満たしていれば障害年金を申請できます。手帳3級であることも、要件を満たすかどうかとは別の問題です。

なお、就労している場合でも、働いているというだけで直ちに不支給になるわけではありません。特に精神疾患では、仕事の内容、勤務時間、職場で受けている配慮、欠勤の頻度などが総合的に確認されます。働きながら障害年金を受給している方もいます。

受給要件の詳しい内容や働きながらの受給については、以下の記事もあわせてご覧ください。

精神障害者手帳3級から障害年金を受給する場合の等級と金額の目安

障害年金を受給できることになった場合、受け取れる金額は障害年金の認定等級によって異なります。手帳の等級で金額が決まるわけではありません。

ここでは、金額を決める仕組みと、2026年度(令和8年度)の等級別の金額の目安を整理します。

金額は手帳の等級ではなく障害年金の認定等級で決まる

受け取れる金額を決めるのは、手帳の等級ではなく、障害年金として認定された等級と初診日の加入制度です。手帳3級であっても、障害年金で2級と認定されれば、2級の金額が支給されます。

精神障害者保健福祉手帳を取得しただけで、全国一律の現金給付が支給されるわけではありません。ただし、自治体によっては独自の手当や助成制度を設けている場合があります。手帳は税制優遇や割引などの支援を受けるための制度であり、障害年金とは別の制度です。

障害年金の等級別の金額目安(2026年度)

2026年度(令和8年度)の障害年金額の目安は、以下のとおりです。手帳の等級ではなく、障害年金の認定等級で金額が決まる点にご注意ください。

年金の種類・等級年額の目安(2026年度)
障害基礎年金2級847,300円(月額換算 約70,608円)
障害厚生年金3級報酬比例の年金額(最低保障額 635,500円)

※初診日に厚生年金へ加入していた方が1級または2級に認定された場合は、障害基礎年金に加えて、報酬比例の障害厚生年金も支給されます。

昭和31年4月1日以前に生まれた方は金額が異なり、障害厚生年金3級の最低保障額は633,700円です。障害基礎年金には子の加算があり、2人までは1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円が加算されます。

障害厚生年金3級は、過去の報酬に応じた報酬比例の金額のため、個人差があります。また、金額は物価や賃金の変動により年度ごとに改定される場合があります。最新の金額は日本年金機構の情報もあわせて確認しておきましょう。

うつ病で受給できる障害年金3級の金額については、以下の記事で詳しく解説しています。

精神障害者手帳3級から障害年金の申請を進めるときのポイント

障害年金の審査は、原則として提出書類に基づいて行われ、通常は申請者本人との面接はありません。ただし、審査の過程で照会や追加書類の提出を求められる場合があります。そのため、現在の状態を書類上で正確に伝えられるかどうかが、結果を大きく左右します。

ここでは、障害年金の申請で特に重要となる、診断書と病歴・就労状況等申立書のポイントを説明します。

診断書に現在の状態を正確に反映してもらう

障害年金の審査では、主治医が作成する診断書が大きな役割を果たします。手帳用の診断書と障害年金用の診断書は様式が異なるため、障害年金用の診断書を改めて主治医に依頼する必要があります。

診断書には、日常生活の能力や就労の状況が記載されます。普段の困りごとや生活上の支障が診断書に反映されるよう、受診時にご自身の状態を具体的に伝えておくことが大切です。

なお、症状の評価や診断を行うのは医師です。具体的な症状や治療については主治医にご相談ください。私たち社会保険労務士がお手伝いできるのは、申請手続きや書類の組み立てといった領域です。

病歴・就労状況等申立書で生活の実態を伝える

病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの病歴や日常生活・就労の状況を、ご本人(またはご家族・社会保険労務士)が時系列で記載する書類です。診断書では伝えきれない生活の実態を補う、重要な書類です。

手帳3級の方の場合、日常生活でどのような支障があるかを具体的に記載することが、障害年金の認定基準に該当するかを判断してもらううえで役立ちます。

病歴・就労状況等申立書の書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。

精神障害者手帳3級の障害年金に関するよくある質問

精神障害者手帳3級と障害年金について、よく寄せられる質問に回答します。

受給の可否や金額は個別の状況によって異なるため、目安として参考にしてください。

障害年金の審査は厳しいですか?

障害年金の審査は、症状のつらさや経済的な事情そのものではなく、障害の状態が認定基準に該当するかどうかで判断されます。原則として提出書類に基づいて審査されるため、診断書や病歴・就労状況等申立書の記載内容が結果を左右します。審査の過程で照会や追加書類の提出を求められる場合もあります。

特に精神疾患は、症状を数値で示しにくいため、状態の伝え方が重要になります。本来は受給できる状態にある方でも、書類上でそれが確認できなければ不支給となることがあります。不安がある場合は、障害年金を専門とする社会保険労務士に相談する方法もあります。

精神障害者手帳3級だと障害年金の月額はいくらですか?

精神障害者保健福祉手帳を取得しただけで、全国一律の現金給付が支給されるわけではありません。ただし、自治体独自の手当や助成制度が利用できる場合があります。障害年金として受給する場合の月額の目安は、障害基礎年金2級で約70,608円、障害厚生年金3級の最低保障額で約52,958円です(いずれも2026年度)。

金額は認定された等級や初診日の加入制度によって異なり、障害厚生年金3級は報酬比例のため個人差があります。詳しい金額は、本記事の等級別の金額目安や、関連記事をご確認ください。

精神障害者手帳3級で障害年金がもらえるか不安な方は専門社労士へ相談を

精神障害者手帳3級で障害年金がもらえるか不安な方は専門社労士へ相談を

精神障害者手帳3級と障害年金について、要点を整理します。手帳と障害年金は目的も審査基準も異なる別の制度であり、手帳が3級だから障害年金がもらえないと決まっているわけではありません。「もらえない」と言われやすいのは、障害基礎年金に3級がないこと、初診日の加入制度で受給できる等級が変わること、障害厚生年金3級では労働への制限も重視されることが主な理由です。

手帳3級でも、日常生活や就労に相応の支障があれば、障害年金で2級などに該当する可能性があります。受給の可否は手帳の等級ではなく、障害年金の認定基準に該当するかどうかで決まります。まずは、ご自身が対象になり得るかを確認するところから始めてみてください。

「精神障害者手帳3級だから」と諦める前に、初診日や現在の状態から受給の可能性を整理してみることをおすすめします。私たち「全国障害年金パートナーズ」では、無料で現在の状況を整理しながら受給の可能性を確認できる無料判定を行っています。5分ほどで結果がわかります。

「自分が対象になるか分からない」「手続きを一人で進めるのが不安」という方は、状況を整理する選択肢として活用してみてはいかがでしょうか。

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社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ代表
うつ病の障害年金を2400名以上成功させた社労士
宮里竹識(みやざと たけし)は、うつ病の障害年金に特化した特定社会保険労務士です。障害年金を通じて、うつ病で働けない人に経済的な安心を届ける支援を行っています。初診日や病歴・就労状況等申立書の設計、医師診断書の記載支援など、障害年金の実務全体を一貫してサポートしています。

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