今考えると、恥ずかしいお話

From：山崎純平
草加のカフェより、、

チキチキボーンっていう食べ物知っていますか？
お弁当の主役ですよね。
なんであんなに美味しいんでしょうか？

コショウがいい感じに効いています。
鶏肉がほどよく柔らかくて、たまらないですね。

しかし、今考えると超ー恥ずかしい、

チキチキボンボンのお話をします。
考えるだけで恥ずかしいのですがね。

小学生4年生の頃の話です。

小学校の遠足で、片道3時間ほどかけて、

目的地の越谷市の公園に到着しました。
3時間も歩くと、クタクタで、お腹がペコペコです。

先生が「頂きます！」の号令をかけて、

みんながパカっと、一斉にお弁当を開けます。
あの瞬間って、みんなが笑顔になるんですよね。
普段と違って、それぞれの家庭が一生懸命、子供のためにお弁当を作ってくれるので、
普段の食事より、豪華になります。

私もその1人だったのですが、パカっと開けたら、
なんと日の丸弁当のみ。
白いご飯が敷き詰められ、その真ん中に、チョコンと梅干し1つ。

あれれ？
イメージした、色とりどりの、お弁当は？
大好物の唐揚げは？

残念ながら、そこに唐揚げはありませんでした。

お弁当を開けた瞬間、開けるや否や、パカっとお弁当箱を閉じました。
悪魔だ！

おかずを家に忘れてきのでした。

友達に、この日の丸弁当を見られたくない。
とっさに逃げるように、友達の輪から外れて、誰もいない場所を見つけて、
ひそひそと1人で食べていたのでした。

くそう！なんでおかずを忘れてしまったんだ。
母親を責めました（自分が悪いのですが・・・）。

悔しさが込み上げてきました。
みんなは、美味しいお弁当を、わいわいと食べているのに、私は1人、日の丸弁当。
まだ、梅干しがあるだけありがたかったです。
梅干しをちょこっと食べては、ご飯を書き込む。
梅干し１に対して、ご飯５の割合で食べました。

食べながら、自然と涙が溢れてきます。

そんなとき、後ろから
「山崎くん、どうしてそんなところで食べているの？」と
担任の斉藤先生が話しかけてくれたのです。

先生は、20代前半の先生で、

私が密かに恋焦がれていた先生でした。

先生は、私のお弁当を見た瞬間、全てを悟りました。
そのとき、先生が
「先生と一緒に食べようか。山崎くん、これいる？」と言って、
先生が、私の日の丸弁当に、鶏肉を入れてくれたのです。

えっ？思わず先生の顔を見ると、いつもより可愛く見えました。

先生の鶏肉をありがたく、頂きました。
こんな美味しい食べ物があるのか！
おいしい、おいしすぎる。
感動でした。
鶏肉１に対して、ご飯10の割合で食べました。

先生、おいしかった。ありがとう。
こんな美味しい、食べ物を食べたの生まれて初めてです。
先生、料理うまいですね。
こんな美味しい料理ができる先生は、すごいですね。

と子供ながらに、一生懸命に感謝を伝えました。

先生は、嬉しそうでした。

それから、10年後、スーパーで見つけました。
チキチキボンボンを。

あれ？これって。10年前に先生がくれた「鶏肉」だ。

その瞬間、全てを悟りました。
私は、先生に、
スーパーで買ったチキチキボンボンを「おいしい。料理うまい」
と一生懸命に褒めていたのです。

まじか！
めっちゃ恥ずかしい。
穴があったら、本当に入りたい。

今思うと、恥ずかしったらありゃしないですね。

当時は分からなくても、後から、真実を知ることってありますよね。

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