障害年金の診断書を書いてくれる病院は?断られる理由と探し方を解説

「主治医に障害年金の診断書をお願いしたら、断られてしまった」

「障害年金の診断書を書いてくれる病院は、近くにあるのだろうか」

障害年金の申請には医師の診断書が必要なため、診断書が手に入らないと手続きを進められません。主治医に断られた経験や、断られるかもしれないという不安から、書いてくれる病院を探し始める方もいます。

本記事で解説するのは、障害年金の診断書を書いてくれる病院の基本と、医師が診断書を書いてくれない理由です。あわせて、断られたときに試したいことや病院の探し方、転院するときの注意点も紹介します。

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障害年金の診断書を書いてくれる病院はどこ?

障害年金の診断書を書いてくれる病院はどこ?

障害の診断書を書いてくれる病院を探すとき、最初に確かめたいのは、現在通っている病院で依頼できるかどうかです。障害年金の診断書は、受診したことのない病院ですぐに書いてもらえる書類ではありません。

ここでは、障害年金の診断書を誰に依頼するのが原則か、精神科以外の主治医にも依頼できるのかを解説します。

原則は、今通っている病院の主治医に依頼する

障害年金の診断書は、現在通院している病院の主治医に依頼するのが原則です。診断書は、医師が診療の中で把握した症状や治療の経過、日常生活の状況をもとに作成する書類だからです。

うつ病などの精神疾患で申請する場合は、「精神の障害用」の診断書を使います。診断書の用紙を用意する場所と、記入する人は次のとおりです。

項目内容
診断書の用紙日本年金機構のホームページからダウンロードできるほか、年金事務所の窓口でも受け取れる
記入する人現在通院している病院の主治医

日本年金機構は、診断書の作成前に年金事務所等へ相談するよう案内しています。使用する診断書の種類や、症状を記入する日付を確認する必要があるためです。「診断書は病院でもらうもの?」と迷った場合は、年金事務所等で用紙と記入時期を確認し、記入を主治医に依頼する流れと考えておきましょう。

精神科以外の主治医にも依頼できる場合がある

精神の障害用の診断書は、原則として精神保健指定医または精神科を標ぼうする医師が記入するものとされています。

ただし、小児科や脳神経内科、リハビリテーション科などの医師も、精神の障害の診断や治療に従事している場合は記入できることがあります。

主治医の診療科で記入できるか分からないときは、主治医や年金事務所に確認してください。

医師が障害年金の診断書を書いてくれない3つの理由

主治医に断られると、「医師が障害年金の診断書を書くのを嫌がっているのでは」と不安になる方もいます。私たち「全国障害年金パートナーズ」が受給代行の中で医療機関へ診断書を依頼した記録2,577件を集計しました。集計の結果、84.3%が「診断書作成に前向き」に分類され、「断られた」記録は3.8%でした。

医師が障害年金の診断書を書いてくれない3つの理由

一方で、断られた記録には複数の背景が確認されています。ここでは、医師が障害年金の診断書を書いてくれない主な理由を3つ解説します。

一定期間の通院実績がなく、経過を把握できていないから

精神の障害用の診断書には、発病から現在までの経過や治療の内容を記載する欄があります。通院を始めて間もない場合は、医師が経過を十分に把握できず、作成を判断できないことがあります。

私たちの支援記録でも、断られた背景の一つとして、一定期間の通院実績を前提とする考え方が確認されました。

診断書の作成だけを目的に新しい病院を受診した場合も、通院期間の短さを理由に、すぐには書いてもらえない場合があります。必要な通院期間は医療機関や病状によって異なり、一律の基準はないのが実情です。私たちが支援した中では、新しい病院に移ってから1〜3か月ほどで診断書を作成してもらえるケースが多く見られます。

生活の困りごとが医師に伝わっていないから

医師が把握できるのは、主に診察室での様子と、患者や家族が伝えた情報です。診察の日だけ身なりを整え、「変わりありません」と答えてしまうと、自宅での困難は医師に伝わりにくくなります。

日本年金機構の「診断書(精神の障害用)記載要領」は、診察時の一時的な状態だけで判断しないよう医師に求めています。判断の基準は、現症日以前1年程度の障害状態の変動です。

生活の困難が伝わっていない場合、医師が「障害年金の対象になる状態ではない」と判断し、作成に慎重になることがあります。医師の判断は、診療で把握した情報にもとづく医学的な判断です。

医療機関の方針で対応していないから

医療機関や医師の方針として、障害年金の診断書に対応していない場合もあります。私たちの支援記録でも、断られた背景の一つとして確認された事情です。

なお、医師法では、診察した医師は正当な理由なく診断書の交付を拒めないとされています。ただし、希望した内容での作成が保証されるわけではありません。断られた場合は、具体的な理由や、作成に必要な条件を確認しましょう。

断られた理由は一様ではなく、患者の状態や通院状況、医師の判断など、個別の事情が考えられます。断られたことを、一概に医師側の問題と捉える必要はありません。

参考:医師法 | e-Gov 法令検索

障害年金の診断書を主治医に断られたときに試したい4つのこと

障害年金の診断書を主治医に断られたときに試したい4つのこと

主治医に断られても、障害年金の申請を諦める必要はありません。断られた理由によって、次に取るべき行動は変わります。

ここでは、障害年金の診断書を主治医に断られたときに試したい4つのことを解説します。

断られた理由を主治医に確認する

まずは、断られた理由を主治医に確認しましょう。理由ごとに、次に試したいことは以下のとおりです。

断られた理由次に試したいこと
通院期間が短い通院を続けて、時期を改めて依頼する
生活の困りごとが伝わっていない困りごとをメモにまとめて伝える
医療機関の方針で対応していない書いてくれる病院を探し、転院を検討する

理由を尋ねるときは、「今後依頼するには何が必要か」を相談する形にすると話を進めやすくなります。医師の判断を尊重する姿勢で尋ねることも大切です。

通院を続けて、時期を改めて依頼する

通院期間の短さが理由の場合は、通院を続けることで、改めて依頼できる場合があります。再度依頼する時期の目安を、主治医に相談しておきましょう。

通院を続けている間も、診察で日常生活の状況を具体的に伝えておくことが、診断書の準備につながります。

なお、転院先で一定期間通院してから、改めて診断書を依頼した事例もあります。統合失調症で通院していた40代の方は、前の主治医の診断書が実際の状態より軽い内容でした。別の病院に転院し、しばらく受診を続けてから診断書を依頼しています。

転院から約3か月で症状に合った診断書が作成され、私たち「全国障害年金パートナーズ」のサポートを経て、障害年金2級の受給が決定したケースです。事例は一例であり、受給の可否は個別の審査によって決まります。

日常生活の困りごとをメモにまとめて伝える

生活の困りごとが伝わっていない場合は、診察の前にメモにまとめ、主治医に渡す方法があります。短い診察時間でも、自宅での様子を伝えやすくなるためです。

メモには、たとえば次のような内容を書いておきます。

  • 食事:1日に何食とれているか、自分で用意できているか
  • 入浴・着替え:週に何回できているか
  • 金銭管理・買い物:家族に任せていることはあるか
  • 通院・服薬:一人で通院できるか、飲み忘れはないか
  • 対人関係:電話や来客に対応できるか、家族以外と話せているか

大げさに書く必要はありません。頻度や具体的な場面など、事実をありのまま書くことが大切です。

本人から伝えにくい場合は、家族に診察へ同席してもらう、家族がメモを書くといった方法もあります。

主治医から「軽い方です」と言われていた方も、私たち「全国障害年金パートナーズ」のサポートを経て、障害年金3級の受給が決まりました。日常生活の支障を、主治医に伝えきれていなかったケースです。

主治医に一度断られた後、改めて依頼して診断書を作成してもらえた方もいます。うつ病の40代の方は、主治医から「診断書の作成ができない」と断られました。私たちが主治医宛てに手紙を送ったところ、主治医が診断書を作成し、障害年金2級の受給につながりました。

事例は一例であり、受給の可否は個別の審査によって決まります。医師への伝え方や、メモにまとめる項目は、以下の記事で詳しく解説しています。

全国障害年金パートナーズに相談する

断られた理由を確認しても次の行動を決められない場合は、私たち「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。主治医への伝え方に不安がある場合も、頼み直すか、転院を検討するかを一緒に整理します。

私たちが作成するのは、主治医が生活状況を把握しやすくするための、医師向けの依頼状や生活状況をまとめた資料です。提出前には診断書の内容を確認し、記載漏れなどがあれば修正方法をお伝えしています。

以下は実際の資料の例です。

全国障害年金パートナーズに相談する

私たちは医師の医学的判断を尊重しており、受給に有利な記載を求めることはありません。診断書を作成するかは医師の判断によるため、相談すれば必ず書いてもらえるわけではない点もご理解ください。

ちなみに、クリニックに約5年通院していたうつ病の40代の方は、主治医に診断書を断られた後に私たちへ相談しました。必要な書類と取得する順番を確認しながら手続きを進め、障害年金2級の受給が決まっています。

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障害年金の診断書を書いてくれる病院の3つの探し方

障害年金の診断書を書いてくれる病院の3つの探し方

医療機関の方針で対応していない場合や、主治医との相談を重ねても依頼が難しい場合は、転院を検討することになります。転院先は、診断書のためだけでなく、治療を続けられる場所であることも大切です。

ここでは、障害年金の診断書を書いてくれる病院の探し方を3つ紹介します。

ドクターナビMapで地域から探す

私たち「全国障害年金パートナーズ」は、障害年金の診断書を書いてくれる病院を地域から探せる「ドクターナビMap」を公開しています。掲載しているのは、診断書の作成実績があり、私たちのサポートで障害年金の受給実績がある医療機関です。

都道府県や病院名から検索できるため、通いやすい地域の医療機関を探せます。

ただし、掲載された病院でも、必ず診断書を書いてもらえるとは限りません。受診する前に、障害年金の診断書に対応しているかを電話などで確認しておきましょう。

主治医に転院先を紹介してもらう

転院を考えていることを主治医に伝え、障害年金の診断書に対応している医療機関を紹介してもらえるか相談する方法もあります。主治医との関係を保ったまま、転院先を探せる点が利点です。

紹介を受けた場合も、診断書を書いてもらえるかは、転院先の医師の判断によります。

医療機関のホームページで診断書の対応を確認する

精神科や心療内科、病院の中には、障害年金の診断書への対応や作成の条件を、ホームページで案内しているところがあります。たとえば「一定期間通院したうえで作成できるかを判断する」「作成前に医師の承諾を得てほしい」といった案内です。

文書料を公開している医療機関もあるため、費用の目安もあわせて把握できます。案内がない場合は、受診前に問い合わせて確認してください。

障害年金の診断書のために転院するときの3つの注意点

障害年金の診断書のために転院するときの3つの注意点

転院したこと自体が、障害年金の申請で必ず不利になるわけではありません。ただし、転院の進め方によっては、必要な書類が増えたり、申請に影響が出たりする場合があります。

ここでは、障害年金の診断書のために転院するときの注意点を3つ解説します。

初診日を証明する書類を準備しておく

障害年金では、初診日(障害の原因となった病気で、初めて医師の診療を受けた日)の確認が必要です。初診の病院と、診断書を作成する病院が異なる場合は、初診の病院で「受診状況等証明書」を作成してもらう必要があります。

初診の病院で受診状況等証明書を取得できない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出し、ほかの資料で初診日を示す方法があります。

転院を重ねるほど、書類を集める負担は大きくなりがちです。転院の前に、初診の病院名と受診した時期を整理しておきましょう。

障害認定日の診断書は転院前の病院に依頼する

障害認定日とは、原則として初診日から1年6か月を経過した日を指します。障害認定日にさかのぼって請求する場合は、障害認定日から3か月以内の状態を記載した診断書が必要です。障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、請求日前3か月以内の状態を記載した診断書もあわせて必要です。

障害認定日の時点で通っていた病院が転院前の病院であれば、障害認定日の診断書は転院前の病院に依頼します。転院する前に、自分の請求で必要になる診断書の時点を確認しておくと、書類集めの手戻りを防げます。

参考:日本年金機構|障害基礎年金を受けられるとき

診断書と申立書の内容を食い違わせない

障害年金の申請では、医師が作成する診断書のほかに、本人や家族が作成する「病歴・就労状況等申立書」の提出が必要です。

転院すると、転院前の治療の経過は前の病院のカルテに残り、転院先の医師は転院前の経過を直接知らない状態で診療を始めます。紹介状などで前の病院の経過を転院先に伝えておけば、転院先の医師も発病からの流れをつかみやすいでしょう。

日本年金機構は「診断書(精神の障害用)記載要領」で、病歴や治療経過と日常生活能力の評価に矛盾がないかにも着目すると示しています。診断書と申立書の内容が食い違うと、審査で疑問が生じる原因になりかねません。

病歴・就労状況等申立書の書き方は、次の記事で解説しています。

障害年金の診断書を書いてくれる病院についてよくある質問

障害年金の診断書を書いてくれる病院を探す中で、費用や受け取りまでの期間、社労士への依頼などについて疑問を持つ方もいます。

ここでは、よくある質問に回答します。

障害年金の診断書の費用はいくらですか?

障害年金の診断書の文書料は健康保険の対象外で、医療機関ごとに金額が異なります。料金をホームページで公開している医療機関もあるため、依頼する前に確認しておきましょう。

参考として、障害年金の診断書の文書料をホームページで公開している病院の例を挙げます。

病院名文書料(税込)料金表の時点
北海道大学病院7,700円2026年6月
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター6,600円2026年6月
国立病院機構 菊池病院11,000円2025年2月

上記の例では6,600円〜11,000円です。文書料は医療機関ごとに設定されており、一般的には2,000円〜10,000円と幅がある点にご注意ください。

私たち「全国障害年金パートナーズ」が支援した中では、障害年金の診断書の文書料は1万円前後の医療機関が多く見られます。高い医療機関では、14万円という例もありました。

文書料の目安は、次の記事でも紹介しています。

参考:北海道大学病院|診断書料

参考:横浜市|文書料の改定について

参考:国立病院機構 菊池病院|文書料一覧

障害年金の診断書は、依頼してから何日くらいで受け取れますか?

私たちが支援してきた事例では、依頼してから4週間程度で受け取れる医療機関が多い一方、数か月かかる医療機関もあります。作成にかかる期間は医療機関によって異なるため、依頼するときに受け取りの目安を確認しておきましょう。

オンライン診療でも障害年金の診断書を書いてもらえますか?

日本年金機構は、オンライン診療でも「診断書記載要領」の必要事項を記入できる場合は、障害年金の診断書を作成できると案内しています。ただし、オンライン診療で診断書を作成するかは医療機関や医師の判断によるため、通院先に確認してください。

社労士に依頼すると、主治医に悪く思われませんか?

私たち「全国障害年金パートナーズ」は、医師の医学的判断を尊重しており、受給に有利な記載や医学的判断の変更を医師に求めることはしていません。

診断書を書くのは医師です。私たちは、診察室で伝えきれない生活状況を整理し、医師と共有できるよう支える立場で関わっています。

主治医から社労士の関与について否定的な反応があった場合は、無理に説得しようとせず、私たちにご連絡ください。どのようなお話があったかは、分かる範囲でお知らせいただければ十分です。

医師が懸念している点を整理し、社労士の役割の伝え方や、資料の渡し方、連絡方法などを一緒に検討します。医師の医学的判断と、今後も続く治療上の関係を大切にしながら対応を考えますので、ご本人だけで説明や交渉を抱え込む必要はありません。

診断書を書いてくれる病院が見つからなくても、障害年金を諦める必要はない

障害年金の診断書は、現在通院している病院の主治医に依頼するのが原則です。主治医に断られた場合も、理由を確認したうえで、通院を続けたり生活の困りごとを伝え直したりすれば、改めて依頼できる場合があります。

医療機関の方針で対応していない場合は、ドクターナビMapや主治医の紹介、医療機関のホームページを使って書いてくれる病院を探せます。転院するときは、初診日の証明書類や障害認定日の診断書、申立書との食い違いに注意してください。

なお、診断書を書いてもらえても、初診日や保険料の納付状況などの要件を満たしていなければ、障害年金は受給できません。病院を探す前に、受給の前提となる要件を確認しておくことも大切です。

私たち「全国障害年金パートナーズ」の無料判定では、無料で現在の状況を整理しながら、障害年金を受給できる可能性を確認できます。最終的な受給の可否は申請後の審査で決まりますが、病院探しや申請の進め方を考える材料としてご利用ください。

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社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ代表
うつ病の障害年金を2400名以上成功させた社労士
宮里竹識(みやざと たけし)は、うつ病の障害年金に特化した特定社会保険労務士です。障害年金を通じて、うつ病で働けない人に経済的な安心を届ける支援を行っています。初診日や病歴・就労状況等申立書の設計、医師診断書の記載支援など、障害年金の実務全体を一貫してサポートしています。

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