障害年金の診断書を医師に書いてもらう方法は?条件や費用を解説
「障害年金の診断書を医師に書いてもらう上で、気をつけたほうがよいポイントは何だろう?」「診断書にかかる費用はどのくらいなの?」
障害年金の申請を考えたとき、こうした不安や悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
この記事を解説する、全国障害年金パートナーズ代表である宮里は累計2,700名以上の障害年金受給をサポートしてきた社労士(社会保険労務士)です。
この記事では、診断書の依頼の仕方から、書いてもらえない場合の対処法まで、事前に知っておきたいことを網羅的に解説します。「障害年金の受給に欠かせない診断書の取得に失敗したくない」方はぜひ最後までお読みください。
なお、障害年金の申請に苦戦しており、専門家のサポートを受けたいとお考えであれば、私たち「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。
障害年金に関しては消極的な反応を示す医師がいるというのが私たちの考えです。あなたの日常生活や就労での困難さを的確に診断書へ反映してもらえるようにサポートします。
以下のページでは、私たち「障害年金パートナーズ」のサービス内容や取り組みについても紹介していますので、合わせてご一読ください。
障害年金の診断書とは、医師が障害の状態を公式に証明する書類

障害年金における診断書とは、障害年金を申請する際に、申請者の障害の状態を医師が公式に証明する書類のことです。
障害年金は、どれだけ日常生活や就労に支障があるかを審査して支給が決まります。しかし、審査する日本年金機構が、申請者の障害状況を対面で見ることは基本的にありません。
そのため、主治医が作成した診断書が「審査の中心となる医療的資料」となります。
日常生活や就労に支障があるかが重要なポイント
重要なのは、診断書は単に「〇〇という病気です」と記載するものではない点です。診断書には、日常生活や就労にどのような支障があるかを具体的に記載します。
たとえば、精神疾患の診断書(様式第120号の4)では、食事・清潔保持・金銭管理・通院・対人関係など7項目の日常生活能力を4段階で評価する「日常生活能力の判定」と、全体としてどの程度の支障があるかを5段階で評価する「日常生活能力の程度」が記載されます。
これらの評価は、等級判定の重要な判断材料となり、就労状況や生活環境なども含めて総合的に判断されます。
つまり、うつ病と診断されている事実だけでは不十分です。
その病気によって日常生活や就労がどれほど困難になっているかが診断書に正確に反映されていなければ、適切な等級が認められません。
だからこそ、診断書は障害年金申請における重要な書類だといえます。
精神障害では診断書の評価項目が等級判定に影響する
日本年金機構は、精神障害の場合の等級目安を「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」として公表しています。
診断書の評価点数に応じた等級の目安が示されており、生活状況や就労状況なども含めて総合的に判断されます。障害等級の目安は以下のとおりです。

「程度」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指します。

そして「判定平均」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について、程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものです。

障害年金の診断書の入手方法
診断書の様式は、精神・肢体・眼・内部疾患など障害の種類ごとに分かれており、それぞれ記載内容や評価項目が異なります。
また、認定日請求や事後重症請求など請求方法によって、必要となる診断書の時期や枚数も変わるため、自分のケースに合った様式を年金事務所で確認することが重要です。
自分に必要な様式や提出枚数を確認してから、医師に依頼しましょう。
障害年金の診断書にかかる費用(文書料)
診断書の作成には、医療機関所定の文書料がかかります。
文書料は医療機関によって異なりますが、一般的に2,000円〜10,000円以上かかるケースが多いです。健康保険は適用されないため、全額自己負担となります。
障害年金の申請に向けての費用として見込んでおきましょう。
医師への診断書の依頼方法

障害年金が受給できるような診断書を書いてもらえるかどうかは、医師への伝え方が大きなポイントです。限られた診察時間の中で、実態を正確に伝えるための工夫が求められます。
まずは、電話でもよいため、「障害年金の診断書を書いてほしい」と医師(主治医)に伝えましょう。障害年金を受け取る条件を満たしている旨や必要性を一言添えるとスムーズです。
口頭だけで伝えようとすると、肝心なことが抜けてしまいがちです。私たち「全国障害年金パートナーズ」がサポートする際には、以下の7項目を文書にまとめて医師に渡すことをおすすめしています。
- 食事の状況:1日何食か、自分で調理できるか、栄養バランスはどうか
- 身辺の清潔保持:入浴・着替え・掃除・洗濯・洗面・歯磨きなどができているか
- 買い物の状況:1人で買い物に行けるか、金銭管理ができているか
- 通院と服薬:1人で病院に行けるか、飲み忘れはないか、医師に正しく伝えられているか
- 対人関係:相手の話を理解できるか、人と話すことへの抵抗はないか、集団行動はできるか
- 身辺の安全保持・危機対応:交通機関を適切に利用できるか、火やガスの消し忘れはないか
- 社会性:銀行・市役所などの手続きを自分でできるか、公共施設を適切に利用できるか
口頭だけではなかなか伝えきれない場合が多いです。「日常生活の状況メモ」を文書で渡すことで、医師が客観的に状況を把握しやすくなります。
ただし、医師の前では「大丈夫」と答えてしまい、実態より軽く伝わってしまうケースは多いです。
普段から、困っていることやできないことを具体的に伝えておくと、診断書にも反映されやすくなります。
たとえば以下のような伝え方ができます。
| 項目 | 伝え方 |
|---|---|
| 食事の状況 | ・食欲がなく1日1食も食べられない日が週に4日ある ・調理中に何をしていたか忘れる |
| 身辺の清潔保持 | ・抑うつが強い時は2週間以上入浴できない ・促されないと着替えられない |
| 買い物の状況 | ・計算ができず一人でレジに並べない ・衝動的に使いすぎてしまう |
| 通院と服薬 | ・一人では通院できず家族に付き添ってもらっている ・薬の飲み忘れが多く管理できていない |
| 対人関係 | ・人と話すときは極度に緊張して言葉が出ない ・家族以外と交流がない |
| 身辺の安全保持・危機対応 | ・ガスの消し忘れを繰り返す ・体調が急変しても自分で119番できない |
| 社会性 | ・公共交通機関を一人で使えない ・公的手続きを自分で行えない |
重要なポイントは「体調が悪い日を基準にして」「具体的に」「頻度を」「誰の助けが必要か」記入することです。
| ポイント | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 体調が悪い日を基準にする | 調子がよければできる | 調子の悪い日が月の3分の2あり、その日はほぼ何もできない |
| 具体的に | 入浴できないことがある | 週に1〜2回しか入浴できず、家族に声をかけてもらわないと難しい |
| 頻度を入れる | よく眠れない | 週4〜5日、夜中に何度も目が覚め、日中も2〜3時間横になる |
| 誰かの助けが必要か記入する | 自分で行っている | 家族の声かけや手伝いがあると自分で行うことができる |
「頑張ればできる」ではなく、実際の困難さを正直に伝えましょう。
医師に障害年金の診断書を確実に書いてもらうためにできる2つのこと
診断書の作成に消極的な医師も多いことから、依頼しているにもかかわらず、書いてもらえないケースもあります。ここからは、医師に障害年金の診断書を確実に書いてもらうためにできる2つのことを解説します。
継続的に通院している
通院回数が少ない場合、医師が症状を十分に把握できておらず、診断書の作成を断られることがあります。日頃から継続的に通院し、状態をしっかり伝えておくことが大切です。
ポイントは以下のとおりです。
- 目安として月1回以上の通院を継続する
- 体調が良くても「調子が良い日と悪い日の波がある」ことを伝えるために通う
- 「最近調子がよいから行かなくていいか」と自己判断で通うことをやめない
また、手帳やスマホのメモに「いつ受診したか・その時の状態」を記録しておくとよいでしょう。診断書を依頼するときに「〇年〇月から通院しています」と自分でもわかるようにしておくのが理想です。
医師との信頼関係が築けている
診断書は医師の判断と責任のもとで作成されるため、患者との信頼関係が重要です。普段から丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
体調不良で丁寧なコミュニケーションが難しい場合は、家族や支援者に同席してもらうことも考えましょう。
たとえば、家族に「家ではこういう状態です」と補足してもらうと、医師は「家での様子」を把握できます。その結果、診断書の内容が実態に近くなります。
また、突然の診断書の依頼となると、医師に負担をかけるケースもあるかもしれません。障害年金を申請することが決まったら、早めに申請する旨や診断書が必要になることを伝えておくとよいでしょう。
普段の診察から、医師も意識してカルテに日常生活の状況を記録するようになります。
医師に障害年金の診断書を書いてもらえない場合の対処法

「障害年金の診断書を依頼したら断られた」といったご相談は、決してめずらしくありません。
医師が診断書の作成を断る背景には、いくつかの理由があります。
- 障害年金の対象ではないと判断された
- 通院回数が少ない
- 障害年金の受給が治療の妨げになると判断された
- 医師が障害年金制度を理解していない
- 障害年金の診断書作成経験が少ない
- 他の業務で忙しすぎる
断られた理由を把握したうえで、適切に対処することが大切です。ここでは、具体的な対処法をご紹介します。
医師に診断書を書いてもらえない理由を聞く
障害年金の診断書を書いてもらえない場合、まずは医師に「なぜ書いてもらえないのか」を丁寧に聞きましょう。
理由によっては、日常生活の実態を改めて文書で伝えることで、対応が変わるケースがあります。
詳しい伝え方は、前述している「医師への診断書の依頼方法」を参考にしてください。
転院を検討する
医師との関係改善が難しい場合や、診断書の作成に消極的な場合は、転院という選択肢もあります。
障害年金に理解のある医師に変更することで、適切な診断書を作成してもらえる可能性が上がるためです。
実務上、診断書を書いてもらえないことを理由に転院するケースはめずらしくありません。状況が改善しない場合は、無理に同じ医師に依頼し続けるのではなく、早めに環境を変えることも重要です。
なお、どの医療機関に転院すべきかわからない方も多いのではないでしょうか。
当社では、これまでの支援実績から、全国2,500以上の医療機関に関する情報を蓄積しており、診断書に協力的な医療機関の傾向も把握しています。
ご自宅の近くで適切な医療機関を探すサポートも行っているため、お気軽にご連絡ください。
社労士に相談する
社労士に相談することで、医師への伝え方のサポートや、書類作成の代行など、一人では難しい部分をカバーできます。
医師によっては障害年金の診断書作成に慣れていないことも考えられます。その場合、社労士が診断書の記載内容について、医師に適切な依頼・説明を行うことが可能です。
診断書が取れるかどうかの段階から、社労士と一緒に動くことが障害年金受給への近道です。
医師から診断書を受け取ったら必ず確認すべきポイント
診断書の項目に記入漏れがないかを確認するとともに、実際の症状や日常生活の状況と内容にズレがないかをチェックしましょう。
特に、「日常生活能力の判定」や「日常生活能力の程度」が実態より軽く評価されている場合、不支給や等級が低く認定される原因になります。
また、医師が診察時の印象のみで記載しているケースもあるため、違和感がある場合は具体的な生活状況を伝えたうえで、修正をお願いすることが重要です。
なお、このあたりは、社労士に依頼することで認識違いを減らせます。
障害年金の受給額と更新
診断書をもとに無事受給が決まった後のことも、あらかじめ知っておくと安心です。ここでは、受給額の目安や更新について解説します。
受給額の目安
受給額は、年金の種類(基礎・厚生)や等級、加入期間によって異なります。

また、受給額は年度によって変動し、2026年度(令和8年度)の場合は、以下のとおりです。
| 障害基礎年金1級 | 1,059,125 円(月額 88,260 円)+ 子の加算 |
| 障害基礎年金2級 | 847,300 円(月額 70,608 円)+ 子の加算 |
| 障害厚生年金1級 | 障害基礎年金(1,059,125 円+子の加算) + 報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金 |
| 障害厚生年金2級 | 障害基礎年金(847,300円+子の加算) + 報酬比例の年金+配偶者加給年金 |
| 障害厚生年金3級 | 報酬比例の年金(最低保障635,500円(月額52,958 円)) |
障害年金の受給額は、年間約60万円〜200万円を超えるケースまで幅があるのが特徴です。

更新
病気やケガの状況によって、障害年金の更新が必要か決まります。
障害年金には「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。
永久認定は、手足の切断や人工関節置換、失明など症状に変化がない病気やケガのときに該当します。この場合、生涯にわたって、障害年金を受給できます。
一方、有期認定は症状が、固定されない精神疾患や腎疾患、心疾患など、ほとんどの病気が対象です。時間の経過や、治療により症状が変化するため、更新が必要になります。
たとえば、うつ病の場合、一度受給が決まっても有期認定となることが多く、1〜5年ごとに更新審査があります。
更新のたびに診断書の提出が必要になるため、継続的に主治医との関係を大切にすることが重要です。
障害年金の診断書に関するよくある質問

障害年金の診断書に関するよくある質問に回答します。
障害年金の診断書はどこでもらえますか?
障害年金の診断書は、年金事務所、あるいは日本年金機構のホームページから入手可能です。障害基礎年金の場合は、市区町村の年金窓口でも受け取れます。
診断書の用紙は、障害の種類(眼、肢体、精神、内部疾患など)によって分かれているため、注意してください。
障害年金の診断書は何年ごとに必要ですか?
診断書を提出する頻度は、障害年金の認定の種類が「永久認定」か「有期認定」かによって異なります。
精神疾患の場合は、時間の経過や治療によって症状が変化する可能性があると判断され、有期認定になる場合が多いです。
この場合は、1年から5年の間で指定された期間ごとに診断書(障害状態確認届)を提出し、更新手続きを行う必要があります。
障害状態確認届は、更新の時期が近づくと、日本年金機構から診断書の用紙が郵送されてきます。
障害年金の診断書は3か月以内に作成されていればよいですか?
診断書は、「基準となる時点から3か月以内の状態(現症)」が記載されたものであれば有効です。ただし、この「基準となる時点」は請求方法によって異なります。
- 障害認定日請求:障害認定日(初診日から1年6か月後)から3か月以内の診断書
- 事後重症請求:年金請求日から3か月以内の診断書
さらに、障害認定日と請求日が離れている場合は、認定日当時の診断書と現在の診断書の両方が必要になる場合があります。
障害年金の診断書には自分の状況を正確に反映してもらおう
診断書は、医師に任せきりにするのではなく、申請する本人が日常生活の実態をしっかり伝えることが重要です。医師に伝える重要な7項目は以下のとおりです。
- 食事の状況:1日何食か、自分で調理できるか、栄養バランスはどうか
- 身辺の清潔保持:入浴・着替え・掃除・洗濯・洗面・歯磨きなどができているか
- 買い物の状況:1人で買い物に行けるか、金銭管理ができているか
- 通院と服薬:1人で病院に行けるか、飲み忘れはないか、医師に正しく伝えられているか
- 対人関係:相手の話を理解できるか、人と話すことへの抵抗はないか、集団行動はできるか
- 身辺の安全保持・危機対応:交通機関を適切に利用できるか、火やガスの消し忘れはないか
- 社会性:銀行・市役所などの手続きを自分でできるか、公共施設を適切に利用できるか
2,700名以上の障害年金受給をサポートした全国障害年金パートナーズの経験からすると、「準備をした方」と「そうでない方」の間には、受給結果に大きな差が出るといっても過言ではありません。とはいえ、どう準備すればよいかわからない方もいるでしょう。
そういった方こそ、年間約500名の方の障害年金受給へと導いている「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。
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