障害年金には税金がかからないの?確定申告は不要?社労士が解説
「障害年金には税金がかからないの?確定申告はどうしたらいい?」といった不安を抱えていないでしょうか。
結論として、障害年金は所得税法第9条により原則税金はかかりません。
障害年金を受給しているだけでは確定申告も不要です。
ただし、例外的に申告が必要なケースや働きながら障害年金を受給している場合の税務上の扱いなど、知っておくべき情報もあります。
そこでこの記事では、障害年金専門の社労士の立場から、障害年金と税金の関係性について正確な情報をわかりやすくお伝えします。
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障害年金には原則として税金がかからない

「年金=税金がかかる」と思っている方もいますが、障害年金は老齢年金とは税務上の扱いが異なります。まずその根拠を法律ベースで確認しておきましょう。
非課税の根拠は「所得税法第9条」にある
障害年金が非課税である根拠は、所得税法第9条に明記されています。
「障害を支給事由とする給付」を非課税所得として定めており、障害基礎年金・障害厚生年金のいずれもこれに該当します。
ただし、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は「雑所得」として所得税の課税対象となることは知っておきましょう。
65歳以上で老齢年金を受け取っている方は、確定申告が必要になるケースがあります。
しかし障害年金はそもそも課税対象の所得ではないため、障害年金の受給だけの場合は、確定申告をする必要はありません。
住民税・相続税・贈与税もかからない
「所得税はかからないとわかったけど、住民税は?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
住民税についても、障害年金は所得税と同様に非課税所得として扱われます。したがって、課税の対象にはなりません。
また、相続税や贈与税の対象にもなりません。ただし、受給後にそのお金を家族へ渡した場合には、贈与税の対象となる可能性があります。
障害年金自体に税金がかかることはないといえます。一方で、一部例外があることも理解しておきましょう。
障害年金を家族に渡すときの税金の注意点
受給後に障害年金を家族に渡した場合には、贈与税の対象となる可能性があります。
ここでは、贈与税がかからないケースと注意が必要なケースについて整理します。
贈与税がかからないケース
贈与税には、受け取る人(受贈者)1人あたり、年間110万円の基礎控除があります。
そのため、1月1日から12月31日までの間に家族へ渡した金額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、申告も不要です。
配偶者や親子などの扶養義務者の間で、日常生活に必要な費用や教育費として、その都度必要な分を渡す場合には、贈与税はかかりません。
たとえば、次のような支払いが該当します。
- 食費や家賃、光熱費
- 学費や教材費
- 医療費 など
ただし、「必要な都度」「生活に必要な範囲内で使われること」が前提となります。
注意が必要なケース(贈与税の対象になる可能性がある場合)
生活費として渡したお金であっても、まとめて多額のお金を渡し、受け取った側が貯金や投資に回した場合は、「贈与」とみなされるケースがあります。
その結果、年間110万円を超える部分については贈与税が課税される可能性があります。
このように、障害年金そのものに税金がかかることはありませんが、受給後の使い方によっては税務上の注意が必要です。
不安がある場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
障害年金の受給額はどのくらいか
「税金がかからない」と聞いても、そもそも受給できる金額がわからなければ実感が湧かない方もいるでしょう。
障害年金の受給額は等級や加入年金の種類によって異なりますが、一般的に年間60万円から200万円を超えるケースまで幅があります。
いずれにせよ、この金額に対して所得税も住民税もかからないことは、受給者にとって大きなメリットです。
なお、具体的な受給見込み額については、年金事務所に問い合わせてみてください。
障害年金は確定申告が不要

「非課税とわかったけど、確定申告の手続きは必要なの?」と疑問が浮かぶ方も多いかもしれません。
結論からいうと、原則として確定申告は不要です。その理由と、例外的に確定申告が必要になるケースをセットで解説します。
原則として確定申告不要の理由
確定申告とは、課税所得がある人が、その額を税務署に申告して税金を納める手続きです。障害年金は非課税所得であるため、課税所得の計算に含まれません。
したがって、障害年金のみを受給している場合は確定申告をする義務は生じません。手続きの負担を心配していた方は、安心してください。
例外的に確定申告が必要になる場合
ただし、次のようなケースでは確定申告が必要になる、またはすることで有利になる場合があります。
- 給与所得や事業所得など、障害年金以外の収入がある場合
- 医療費控除や社会保険料控除などを申請して税金の還付を受けたい場合
- 年の途中で退職しており、年末調整が行われていない場合
これらの場合、障害年金そのものは申告不要ですが、他の収入や控除の関係で確定申告書を作成する必要が出てきます。
申告書に障害年金の金額を記載する必要はありませんが、「申告書を出す必要があるかどうか」は個々の状況により異なります。判断に迷う場合は、税務署や税理士にご相談ください。
働きながら障害年金を受給している場合の税務上の扱い
働きながら障害年金を受給している方もいるでしょう。
税務の観点では、給与収入は課税対象ですが、障害年金は非課税です。両者が合算されて課税されることはありません。
給与がある場合は、その給与分については通常どおり年末調整や確定申告の対象となりますが、障害年金の部分は切り離して考えてください。
例外的に障害年金の確定申告を行うときのやり方
障害年金は確定申告をする必要がありません。しかし、例外的に確定申告をする可能性もあるでしょう。
確定申告の基本的な流れは、以下のとおりです。
- 必要書類を準備する(源泉徴収票、医療費の領収書、マイナンバーなど)
- 国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスする
- 収入・控除の情報を入力する(障害年金は入力不要)
- 申告書を提出する(e-Tax、郵送、税務署窓口のいずれか)
- 還付がある場合は指定口座に振り込まれる
障害年金は申告書に記載する必要はありません。しかし、「収入がゼロ」ではなく「非課税収入がある」という状態です。
誤って障害年金を給与や雑所得として記載しないよう注意が必要です。
障害年金と税金に関するよくある質問

障害年金と税金に関するよくある質問に回答します。
Q.障害年金は収入になりますか?
障害年金が「収入」になるかどうかは、制度によって扱いが異なります。
| 制度 | 障害年金の扱い | 備考 |
|---|---|---|
| 所得税・住民税 | 収入にならない(非課税所得) | 金額にかかわらず課税されない |
| 健康保険の扶養認定 | 扶養認定上の年間収入として判断される | 180万円未満が扶養の基準(障害者の場合) |
| 生活保護 | 収入として認定される | 受給額から差し引かれる |
| 児童扶養手当 | 収入ではなく「年金額」として比較される | 障害年金の給付額等に応じて支給額が調整される |
| 国民健康保険料の算定 | 収入にならない(非課税所得のため) | 保険料計算の所得には含まれない |
| 障害者総合支援サービスの負担額 | 収入にならない(非課税所得のため) | 利用者負担の所得区分に影響しない |
つまり、税金の文脈では「収入にならない(非課税)」ですが、扶養認定や生活保護など生計の実態を見る制度では「収入としてカウントされる」という二面性があります。
Q. 障害年金の受給額が180万円以上なら、どのような点に注意すべきですか?
たとえ年額が180万円を超えても、障害年金自体に税金が発生することはありません。
ただし、健康保険の被扶養者(家族の扶養に入っている方)の認定基準は、原則として年収180万円未満(60歳以上または障害者の場合)です。
障害年金を含む収入が年額180万円以上になると、家族の扶養から外れる可能性があります。扶養から外れた場合、自身で国民健康保険に加入し、保険料を負担する必要が生じます。
障害年金には税金がかからないことを理解しよう
実際の相談でも、障害年金に税金がかかると思って申請をためらっていた方は少なくありません。しかし、障害年金は原則非課税です。
障害年金と税金の関係性を改めて整理します。
- 障害年金は所得税法第9条により非課税。所得税も住民税もかからない
- 障害年金のみを受給している場合、確定申告は原則不要
- 給与収入がある場合や還付申告をしたい場合は、確定申告が必要になることがある
これらを理解したうえで「障害年金を受給したい」と考える方もいるでしょう。
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