「お金があるなら診断書は書かない」その言葉に、私は首をかしげました

From:山崎純平
草加のカフェより…
「えっ、それは違うのでは?」
病院のケースワーカーさんから話を聞いたとき、私は思わずコーヒーを持つ手が止まりました。
その病院には、いろいろな先生がいるそうです。
その中に、障害年金の診断書を書くかどうかを、あなたの症状ではなく「その人の置かれた状況」で決める先生がいると聞きました。
たとえば、休職中でも会社から給料が出ている人。
「今は給料があるから、障害年金はいらないでしょう」
また、配偶者が働いている人。
子どもが大学生で、もう小さい子ではない人。
「家族もいるし、養育費もそこまでかからないなら、障害年金はいらないでしょう」
そう考えて、診断書を書かない先生もいるそうです。
うわぁ〜。
正直、私はかなり疑問を持ちました。
もちろん、先生にも考えがあります。
忙しい診療の中で、診断書を書くのは大変です。
でも、障害年金は「お金があるか、ないか」だけで決まる制度ではありません。
それは、生活保護に近い考え方です。
障害年金で大切なのは、症状によって日常生活にどれだけ支障が出ているか。
そして、働くことがどれだけ難しいかです。
たとえるなら、雨の日の傘です。
今、たまたま屋根のあるバス停にいるからといって、「あなたに傘はいらない」と言われたらどうでしょうか。
でも、あなたはこれから駅まで歩くかもしれない。
風が強くなって、横なぐりの雨になるかもしれない。
靴の中までびしょびしょになって、家に帰るだけで力を使い切るかもしれない。
障害年金も同じです。
休職中に給料が出ていても、それがずっと続くとは限りません。
傷病手当金も、会社の制度も、いつか終わることがあります。
そのとき、うつ病で動けない状態のまま、収入だけが消えたらどうなるでしょうか。
想像しただけで、胸がギュッとなります。
もし、うつ病で働けず、布団から起きることもつらい状態なら、その通帳を見るだけで心が折れてしまうかもしれません。
障害年金は、ぜいたくをするためのお金ではありません。
不安でいっぱいの毎日に、一本の手すりをつける制度です。
階段を上るとき、手すりがあるだけで少し安心しますよね。
足がふらついても、つかまれる場所がある。
障害年金も、その手すりに近いです。
「働けないかもしれない」
「収入がなくなるかもしれない」
「家族に迷惑をかけるかもしれない」
そんな不安を、少しやわらげるためにあります。
それなのに、表面だけを見て「給料が出ているから不要」「配偶者が働いているから不要」と判断されてしまう。
これは、あなたの苦しさを見落としてしまう危険があります。
診断書は、障害年金の申請でとても大切です。
医師が症状や生活の困りごとをどう書くかで、結果が大きく変わることがあります。
だからこそ、あなたの生活の実態を伝えることが大切です。
診察室では、つい「大丈夫です」と言ってしまう人がいます。
でも本当は、お風呂に入れない日がある。
食事がカップ麺だけになる。
郵便物を開ける気力もない。
スマホの通知音だけで、心臓がドキッとする。
そういう日常こそ、伝えてほしいのです。
私は、うつ病で働けない方の障害年金申請をサポートしています。
その中で何度も感じるのは、あなたが弱いから動けないのではない、ということです。
病気が、あなたのエンジンに重い砂を入れているのです。
アクセルを踏んでも進まない。
それは根性の問題ではありません。
だから、どうか一人で抱え込まないでください。
医師にうまく伝えられない。
診断書を書いてもらえるか不安。
自分が障害年金の対象になるのかわからない。
そんなときは、専門家を使ってください。
あなたが制度につながるための道を、一緒に探します。
もしあなたが、うつで働くことが難しい場合、ご相談ください。
ご連絡お待ちしています。


