障害年金をもらうと扶養から外れる?年収180万円がボーダーライン
家族の扶養に入っている場合、障害年金を受給すると「扶養から外れてしまうのではないか?」「保険料の負担が増えるのではないか?」と不安に感じる方もいるでしょう。
実際には、税法上の扶養と社会保険上の扶養で判断基準が異なり、正しく理解していれば過度に心配する必要はありません。
この記事では、障害年金と扶養の関係性について、累計2,700名以上・年間約500名の受給をサポートしてきたうつ病による障害年金専門の「全国障害年金パートナーズ」の宮里が、わかりやすくお伝えします。
家族の扶養に入りながら障害年金を受給することもできます。そのことがわかり、これから障害年金の申請を考えたい方もいるでしょう。そういった方は、私たち「全国障害年金パートナーズ」の無料判定を受けてみてはいかがでしょうか。下記より5分ほどで結果がわかります。
扶養に入っている方も障害年金は受け取れるのか

障害年金の申請を考えるとき、まず気になるのは「扶養に入ったままでも申請できるのか」という点でしょう。
結論から言うと、扶養に入っている方も障害年金を受給できる可能性があります。まずは、障害年金を受け取るための基本的な要件から見ていきましょう。
障害年金を受給するための条件は、3つの申請要件を満たすこと
障害年金を受給するには、原則として次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 証明すること |
|---|---|
| 初診日要件 | 初めて医師に診てもらった日はいつか。その時点でどの年金に加入していたか。 |
| 保険料納付要件 | これまでに年金保険料をきちんと納めていたか。または免除・猶予の手続きをしていたか。 |
| 障害状態要件 | 障害の程度が、定められた等級に該当しているか。 |
扶養に入っている方の中には、「保険料を支払っていなかったのでは?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、扶養に入っている方の多くは「第3号被保険者」に該当します。
扶養に入っている方の多くは「第3号被保険者」に該当する
会社員や公務員の配偶者の扶養に入っている方の多くは、国民年金の「第3号被保険者」に該当します。第3号被保険者とは、厚生年金に加入している配偶者に扶養されている20歳以上60歳未満の方のことです。
自分自身で国民年金保険料を納める必要がなく、配偶者が加入する年金制度が保険料をまとめて負担する仕組みになっています。
そのため、初診日に第3号被保険者に該当していた場合は、その期間について保険料納付要件を満たしているとみなされます。
また、保険料納付要件を判断する対象期間(初診日の前日までの期間)に第3号被保険者であった期間が含まれる場合も、同様にその期間は納付済みとして扱われます。「扶養に入っていたから年金の保険料を払っていない」という理由だけで、障害年金をあきらめる必要はありません。
ただし、自営業者の配偶者など、国民年金の第1号被保険者の扶養に入っている方の場合は、第3号被保険者とは異なり、自分で保険料を納付する必要があります。
この場合は未納の期間がないかどうかを、日頃からねんきん定期便や年金事務所で確認しておくと安心です。
障害年金を受給すると扶養から外れる?税法上と社会保険上での考え方の違い
扶養に入っている方が障害年金を受給するとき、気になることとして考えられるのは「このまま扶養に入っていられるのか」です。
扶養から外れるかどうかは、主に年収で判断されます。
ただし、「税金の扶養」と「健康保険の扶養」では、判断のルールが異なるため注意が必要です。障害年金を年収に含めるかどうかも、制度によって扱いが変わります。具体的な内容を見ていきましょう。
扶養から外れるかどうかは年収がポイント
扶養から外れるかどうかを考えるときは、まず年収の確認が大切です。
ただし、単純に「障害年金をもらったら扶養から外れる」と決まっているわけではありません。
税金の扶養では、障害年金は非課税のため、基本的に扶養の判定には含まれません。一方、健康保険の扶養では、障害年金も収入として見られるため、年収によっては扶養から外れる可能性があります。
つまり、同じ「扶養」という言葉でも、税金と健康保険では考え方が違います。
「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」は別の制度
扶養には、大きく分けて「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があります。
税法上の扶養は、配偶者控除や扶養控除など、税金に関する制度です。一方、社会保険上の扶養は、配偶者などの健康保険に入るかどうかに関わるものです。
両者は名前こそ同じ「扶養」ですが、判断基準は別です。そのため、税金の扶養では問題なくても、健康保険の扶養では確認が必要なケースもあります。
それぞれの扶養について詳しく見ていきましょう。
【税法上の扶養】障害年金の受給だけだと扶養から外れない

まずは、配偶者控除・扶養控除に関わる「税法上の扶養」について見ていきましょう。
障害年金は非課税所得のため、扶養控除の判定には含まれない
障害年金は非課税所得です。そのため、障害年金をいくら受給していても、それだけを理由に税法上の扶養から外れるケースはありません。扶養控除の判定に使われる「合計所得金額」には、そもそも障害年金の金額が含まれないためです。
障害年金を受給している本人だけでなく、その方を扶養している配偶者や親の側の年末調整・確定申告にも共通する考え方です。
パート・アルバイト収入がある場合は扶養控除の判定に影響する
障害年金に加えてパート・アルバイトなどの給与収入がある場合は、その給与所得の部分が税法上の扶養控除の判定に影響します。
給与収入のみの場合、扶養控除の対象となるかどうかは、年間の給与収入が123万円以下かどうかがひとつの目安です(2026年7月時点)。この基準は税制改正により変わる場合があるため、最新の情報をチェックするようにしましょう。
「160万円の壁」と扶養控除の基準は別に考える
給与収入に関しては、いわゆる「160万円の壁」という言葉を耳にするケースもあるかもしれません。これは、本人に所得税がかかるかどうかの目安として使われる数字であり、扶養控除の対象となるかどうかの判定基準とは別のものです。
「160万円の壁」と「扶養控除の年収基準」を同じものとして捉えると、誤った判断をしてしまう可能性があるため、それぞれ別の基準として整理しておく必要があります。
【社会保険上の扶養】年収180万円が扶養に入れるかどうかのボーダーライン
次は、配偶者の健康保険に入り続けられるかどうかに関わる「社会保険上の扶養」について解説します。こちらは税法上の扶養と異なり、障害年金を含めた年収180万円が一つの基準になります。
ただし、すべての方に一律に当てはまるわけではありません。年齢や加入している健康保険の種類によって、基準が異なる点に注意が必要です。
健康保険の扶養は「今後1年間の収入見込み」で判断される
健康保険の被扶養者にあたるかどうかは、過去の実績ではなく、原則として「今後1年間の収入見込み」で判断されます。
障害年金を含めた収入見込みが180万円以上(月額に換算するとおおむね15万円以上)となる場合、被扶養者の収入要件を満たさなくなり、扶養から外れる可能性があります。
すでに受給が決定している障害年金の年額に加えて、パート収入などの見込みがある場合は、あわせて試算しておくとよいでしょう。
【協会けんぽの扶養認定基準】年齢・状況ごとに年収基準は異なる
健康保険の扶養認定基準は、加入している健康保険によって細かな運用が異なります。代表的な例として、協会けんぽ(全国健康保険協会)の認定基準は次のとおりです。
| 年齢などの条件 | 年間収入の基準 |
|---|---|
| 19歳以上23歳未満 | 150万円未満 |
| 上記以外の60歳未満 | 130万円未満 |
| 60歳以上または障害年金受給者 | 180万円未満 |
この表からもわかるとおり、障害年金を受給している方や、障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方については、一般的な「年収130万円未満」ではなく、「年収180万円未満」を基準に被扶養者かどうかが判断される場合があります。
年齢にかかわらず、障害年金の受給者は180万円基準が適用される点がポイントです。
参考:協会けんぽ|事業主・加入者のみなさまへ「令和7年度被扶養者資格の再確認について」
障害年金以外の収入や同居・別居の状況によっても判断が異なる
ここまで見てきた180万円という基準は、あくまで一つの目安です。実際には、障害年金以外の収入の有無、被保険者との同居・別居の状況、さらには加入している健康保険組合ごとの規定によって、判断が異なる場合があります。
そのため、実際に扶養に入り続けられるかどうかについては、自分が加入している(または配偶者が加入している)健康保険組合や協会けんぽへの確認をおすすめします。
扶養から外れる場合は手続きが必要になる
年収が基準を超え、扶養から外れることになった場合は、被保険者(配偶者など)の勤務先を通じて、扶養から外す手続きが必要になります。
この手続きの中で、加入している健康保険組合や勤務先の運用によっては、収入状況を確認できる資料(年金額の改定通知書や源泉徴収票など)の提出を求められる場合があります。必要書類は加入先によって異なるため、事前に勤務先や健康保険組合へ確認しておくと安心です。
扶養から外れると、健康保険料は自己負担になる

扶養に入っている間は、被扶養者が健康保険料を負担する必要はありません。しかし、扶養から外れると、自分で国民健康保険や勤務先の健康保険に加入し、保険料を負担することになります。障害年金を受給できるようになったとしても、保険料の負担が新たに発生する可能性がある点に留意しましょう。
現在(あるいは今後)受給できる障害年金の額と、扶養から外れた場合に発生する健康保険料の負担額を比較したうえで、生活全体への影響を把握しておくと安心です。
障害年金の受給額は、多くの場合、保険料負担の増加を上回りますが、世帯の収入状況によって影響の大きさは異なります。具体的な保険料額については、加入予定の健康保険組合や市区町村の窓口に確認するのが良いでしょう。
障害年金と扶養に関するよくある質問
ここまでの内容を踏まえて、障害年金と扶養に関するよくある質問に回答します。
Q. 扶養に入ったまま障害年金3級・2級はもらえますか?
扶養に入っていてもいなくても、障害年金の等級と直接的な関係はありません。障害の程度が定められた等級に該当しているかどうかが判断の中心になるためです。扶養に入っている状態そのものが、障害年金の等級の審査結果に影響を与えるケースは基本的にないと考えられます。
Q. 扶養から外れても障害年金を受給するメリットは大きいですか?
扶養から外れても、障害年金を受給するメリットは大きいケースが少なくありません。
扶養から外れると、これまで負担がなかった健康保険料を自分で支払う必要が出てきます。この点だけを見ると、負担が増えたように感じられるかもしれません。社会保険上の扶養は、障害年金を含めた年収が180万円未満かどうかが一つの目安になります。
さらに、障害基礎年金1級・2級の受給者は、国民年金保険料が法定免除となります。
あわせて、前年の所得が4,794,000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)であれば、障害年金生活者支援給付金(2026年度:1級は月額7,025円、2級は月額5,620円)が上乗せされます。
つまり、扶養から外れることで生じる負担は「健康保険料の自己負担」という一つの要素にとどまる一方で、障害年金そのものの受給に加えて、法定免除や障害年金生活者支援給付金といった複数の経済的なメリットを受けられます。
自分の場合、実際どの程度の差が生じるかは、現在の年金見込み額や健康保険料によって異なりますので、心配な方は年金事務所や健康保険組合に確認しながら、具体的に把握しておくと安心です。


Q. 扶養に入っている場合、障害年金を受給すると年末調整はどうなりますか?
障害年金は年末調整で申告する必要がありません。障害年金は非課税所得であり、所得税法上、年末調整で計算される「合計所得金額」には含まれないためです。
そのため、障害年金をいくら受給していても、年末調整の書類に金額を記入する必要はなく、扶養控除・配偶者控除の判定に影響しません。これは「扶養している側(配偶者や親)」の年末調整でも同じです。

Q. 扶養から外れることで、障害年金を受給していることが周りにばれますか?
年収が180万円以上になり、社会保険上の扶養から外れる手続きが必要になった場合は、収入状況を確認できる資料の提出を求められるケースがあります。
そのため、手続きの過程で、配偶者など被保険者の勤務先に、障害年金を受給していることが伝わる可能性はあります。この点は、扶養に入ったまま障害年金だけを受給している場合とは状況が異なるため、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。
周囲に知られたくないという気持ちがある場合は、手続きの前に、必要書類の範囲や取り扱いについて勤務先の担当窓口へ確認しておくと、心づもりがしやすくなります。
障害年金を受給したいなら全国障害年金パートナーズへ

障害年金と扶養の関係は、税法上と社会保険上で基準が異なるため、混同すると不要な不安を抱えてしまいがちです。
税法上の扶養は、障害年金が非課税所得であるため受給を理由に外れることはなく、社会保険上の扶養は、障害年金を含めた年収が180万円を超えるかどうかが一つの目安になります。
仮に扶養から外れることになっても、健康保険料の自己負担が発生する一方で、障害年金そのものによる経済的なメリットは大きいです。
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