障害年金の受給要件とは?3つの要件を社労士がわかりやすく解説
「自分は障害年金をもらえるのだろうか…」と、不安に感じている方もいるかもしれません。
障害年金を受給するには、原則として「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つを満たす必要があります。
この記事では、障害年金の受給要件について、累計2,700名以上・年間約500名の受給をサポートしてきたうつ病による障害年金専門の「全国障害年金パートナーズ」の宮里が、わかりやすくお伝えします。
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障害年金の受給要件は3つある

障害年金を受給するには、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つをすべて満たす必要があります。3つの受給要件のポイントは以下のとおりです。
| 要件 | 確認すること |
|---|---|
| 初診日要件 | 初めて医師に診てもらった日はいつか。その時点でどの年金に加入していたか。 |
| 保険料納付要件 | これまでに年金保険料をきちんと納めていたか。または免除・猶予の手続きをしていたか。 |
| 障害状態要件 | 障害の程度が、定められた等級に該当しているか。 |
障害年金を受給できるかどうかは、現在の症状の重さだけで判断されるわけではありません。
たとえば、障害の程度が等級に該当していても、初診日を証明できなかったり、保険料納付要件を満たしていなかったりすると、受給が認められない可能性があります。
障害年金の申請を考えるときには、まず3つの要件をそれぞれ確認することが大切です。ここからは、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」について、順番にわかりやすく解説します。
初診日要件
障害年金の申請を考えるうえで、まず欠かせないのが「初診日の証明」です。初診日がいつなのか、またその時点でどの年金に加入していたかによって、受給できる年金の種類が決まります。
初診日とは初めて医師の診察を受けた日のこと
初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診察を受けた日のことです。
障害年金では、初診日を基準に、加入している年金制度や保険料納付要件、障害認定日などが判断されます。そのため、初診日を証明できない場合、障害年金の請求が認められない可能性が高くなります。
なお、初診日は精神科でなくても構いません。たとえば、うつ病であっても、内科や心療内科なども含め、その症状で初めて受診した日が初診日になります。
症状の初期には「気のせいかもしれない」と思いながら内科を受診した、あるいは職場の産業医に相談した、といった経緯をお持ちの方もいるかもしれません。そのような場合でも、その受診日が初診日になり得ます。
なお、初診日が20歳前にある場合、初診日に加入していた年金制度は問われませんが、初診日の証明自体は行う必要があります。
初診日によって受給できる年金の違い
初診日時点で加入していた年金によって、受給できる障害年金の種類が異なります。
| 初診日に加入していた年金制度 | 受給できる障害年金の種類 |
|---|---|
| 国民年金加入中(自営業・学生・無職など) | 障害基礎年金(1級・2級) |
| 厚生年金加入中(会社員・公務員など) | 障害厚生年金(1級・2級・3級)1級・2級の場合は障害基礎年金もあわせて受給できる場合があります。 |
厚生年金加入中の方は3級まで対象となり、より広い範囲で受給できます。
なお、注意したいのは、「初診日時点」の加入状況が問われる点です。たとえば、会社員として働いていた時期に症状が出始めて受診し、その後退職して国民年金に切り替えた場合でも、初診日に厚生年金に加入していれば、障害厚生年金の対象になります。
裏を返せば、退職後に症状が悪化して初めて受診した場合は、国民年金加入中として扱われます。どちらに該当するかで受給額や対象等級が変わるため、初診日の特定は重要です。
初診日の証明方法
初診日は、客観的な証拠によって証明する必要があります。主な証明方法としては、初診の医療機関で「受診状況等証明書」を取得する方法があります。この書類の取得には文書料(数百円〜数千円程度)がかかります。
初診の医療機関がすでに廃院していたり、カルテが保存されていなかったりする場合は、証明が難しくなるケースがあります。こうした場合は、当時通っていた医療機関の健康保険の診療報酬明細書や、お薬手帳、当時のメモなど、複数の資料を組み合わせての証明も可能です。
初診日の証明が取れないからといって、すぐに申請をあきらめる必要はありません。どのような資料が代替証明として認められるかは、状況によって異なります。不安な場合は、社労士に相談しながら進めることも検討してみてください。
保険料納付要件
「保険料をきちんと払っていないと障害年金はもらえないの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。ここでは、保険料納付要件の具体的な内容と、要件を満たすための方法を解説します。
保険料納付要件の基準日は「初診日の前日」
保険料納付要件は、初診日の前日を基準として確認されます。初診日以降に慌てて保険料を納めても、要件の判断には影響しないため注意が必要です。
まだ初診日を迎えていない段階であれば、今から保険料をきちんと納めておくと、将来の受給要件を守ることにつながります。
要件を満たす2つの方法
保険料納付要件を満たすには、以下のいずれかを満たすことが必要です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①原則:3分の2以上の納付(3分の2要件) | 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間について保険料を納めているか、免除・猶予の手続きをしていること。 |
| ②特例:直近1年間に未納がないこと(直近1年要件) | 「①原則」を満たさない場合でも、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がなければ要件を満たします。ただし、この特例が適用されるのは、初診日が令和18年(2036年)3月31日までのケースに限られます。 |
保険料を未納のまま放置すると、障害年金の受給要件を満たせなくなる可能性があります。一方、免除や猶予の手続きを行った期間は「納付済み」とみなされます。
未納と免除・猶予は、障害年金の受給要件において異なる扱いです。経済的に保険料の支払いが難しい状況にある場合でも、免除・猶予の手続きをきちんと行いましょう。
なお、手続きは、年金事務所やお住まいの市区町村の窓口でできます。そのほか、郵送やマイナポータルを使った電子申請も可能です。
保険料の納付状況の確認方法
自分の保険料の納付状況は、年金事務所の窓口や「ねんきんネット(日本年金機構のオンラインサービス)」で確認できます。
年金事務所の窓口に行く際は、事前に予約をとっておくとスムーズです。必要なものは、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)、基礎年金番号がわかるものです。
ねんきんネットでは、加入期間や保険料の納付・未納・免除などの状況が一覧で表示されるため、「自分は3分の2要件を満たしているのか」「直近1年間に未納期間があるかどうか」を自分で確認するうえで役立ちます。
担当者から保険料の納付状況を直接聞きたい方は年金事務所、自宅から気軽にスマホやパソコンで確認したい方はねんきんネットを利用するとよいでしょう。
初診日が20歳前の場合(20歳前傷病)
初診日が20歳前で、年金制度に加入していない期間にある場合は、「20歳前傷病」として扱われ、保険料納付要件を問われずに障害基礎年金を受給できる場合があります。
ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限が設けられています。前年の所得額が4,794,000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,761,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります(2026年時点)。この金額は毎年見直され、変動するため、気をつけてください。
初診日に年金未加入だった場合でも、すぐに対象外と判断せず、自分の状況を確認することが大切です。
参考:日本年金機構|20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等
障害状態要件
障害年金を受給するには、「障害認定日」または「請求時点」において、障害等級に該当する状態にあることが必要です。
障害認定日とは、原則として「初診日から1年6か月が経過した日」のことです。この時点で障害等級に該当していれば「障害認定日請求(認定日請求)」、該当していなくてもその後に症状が悪化して等級に該当した場合は「事後重症請求」ができます。
障害状態要件では、障害の程度が障害年金の等級に該当するかどうかが確認されます。障害年金は、身体障害、知的障害、精神障害、内臓疾患など、さまざまな傷病が対象となります。
ただし、全国障害年金パートナーズでは、うつ病・双極性障害・統合失調症などの精神疾患による障害年金を専門にサポートしています。そのため、ここでは精神疾患の場合を中心に、障害状態要件の考え方を解説します。精神障害の場合、等級の目安は以下のとおりです。
| 等級 | 障害の程度 |
|---|---|
| 1級 | 日常生活のほとんどに援助が必要な状態。他者のサポートなしには生活できない。 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限があり、単独での活動が困難な状態。 |
| 3級(障害厚生年金のみ) | 労働に著しい制限を受ける、または制限を加えることを必要とする状態。 |
なお、1級は非常に重篤な状態が求められるため、認定件数は少ないのが現状です。
うつ病と不安障害など、複数の精神疾患がある場合は、それぞれを単純に足し合わせて等級を決めるわけではありません。症状や日常生活への影響を総合的に見て判断されます。
なお、精神疾患に加えて身体障害など別の障害がある場合には、障害の組み合わせによって併合認定・総合認定・差引認定などの考え方が関係する場合があります。
神経症や人格障害は原則として障害年金の認定対象外とされています。ただし、うつ病・双極性障害・統合失調症など認定対象となる精神疾患が併存している場合や、神経症であっても精神病の病態を示していると判断される場合には、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金の申請・受給の流れ

受給要件を満たす方は、障害年金の申請を検討してみるとよいでしょう。申請・受給の流れは、以下のとおりです。
①初診日と受給資格の確認
まず、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診察を受けた日(初診日)を特定します。複数の医療機関を受診している場合は、最初にかかった医療機関までさかのぼって確認が必要です。
初診日が判明したら、市区町村窓口または年金事務所で、初診日時点の年金加入状況と保険料の納付状況を確認しましょう。
②申請書類一式の受け取り
受給資格が確認できたら、市区町村の年金窓口または年金事務所を訪れ、「障害年金を申請したい」と伝えて必要書類を受け取ります。
市区町村の年金窓口または年金事務所では書類の記入方法についても案内を受けられます。しかし、精神疾患をお持ちで外出や対人コミュニケーションに負担を感じる場合には、社労士に代理で手続きを依頼することも可能です。
③受診状況等証明書の取得
初診を受けた医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。文書料として数百円〜数千円程度が必要です。
廃院やカルテの消失などで証明書を取得できない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」に参考資料を添付して代替します。
④主治医への診断書依頼
主治医に所定の診断書の用紙を渡し、作成を依頼します。このとき、日常生活での困りごとをまとめたメモも一緒に渡しておくと、医師が実態を正確に把握したうえで診断書を作成しやすくなります。
⑤病歴・就労状況等申立書の作成
発症時から現在までの経緯を時系列で記載します。いつ・どの医療機関に通い・どのような症状があったか、また就労状況はどうだったかを具体的に書いてください。
診断書との整合性を確認しながら作成することが重要です。記入が難しい場合は、社労士や家族が代筆しても問題ありません。

⑥書類の提出
すべての書類がそろったら、市区町村の年金窓口または年金事務所に提出します。
提出日が「請求日」となり、受給権の発生日に影響する場合があります。書類に不備があると差し戻しになるため、提出前に窓口担当者へ確認してもらうと安心です。
⑦審査・結果通知の受け取り
日本年金機構(または共済組合)による審査が行われ、結果は「支給決定通知書」または「不支給決定通知書」として郵送されます。
不支給となった場合でも、決定通知書を受け取ってから3か月以内であれば審査請求(不服申立て)が可能です。
障害年金の申請・受給の流れについては「障害年金はどこで申請する?条件や必要書類、流れ、審査期間を解説」にて詳しく解説しているため、こちらも参考にしてください。
障害年金の受給要件を満たしているか判断できないなら社労士に相談しよう

障害年金を受給するには、原則として「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つを満たす必要があります。
「障害年金の受給要件を満たしているか判断がつかない」「障害年金を申請したいが、一人では難しい」と考える方は、社労士に相談するとよいでしょう。特に、次のような状況では、社労士への依頼がおすすめです。
- うつ病や双極性障害など、症状が数値化しにくい精神疾患を患っている
- 初診日が不明確、または初診の医療機関が廃院している
- 過去に申請して不支給・却下になった経験がある
- 体調が悪く、自分で書類を集める余裕がない
- 対人コミュニケーションに不安があり、年金事務所の相談窓口に行くこと自体が大きな負担となる
年金事務所は、障害年金の公式な手続き窓口であり、申請書類の受付や制度の説明を行う場所です。過去の年金記録をもとに保険料の納付状況を確認できるため、保険料納付要件を満たしているかを確認する場所としても有効です。
ただし、申請の最終的な可否判断を行うのは年金事務所ではありません。提出された書類をもとに日本年金機構で審査が行われます。年金事務所の窓口職員は年金全般を担当しており、障害年金の専門家とまではいえません。
全国障害年金パートナーズでは、うつ病による障害年金申請を専門に全国の方のサポートを行っています。累計2,700名以上・年間約500名の受給実績があり、申請の準備から書類作成・提出まで一貫してサポートします。メールや電話でのご相談も承っておりますので、外出が難しい方もご依頼いただけます。
無料判定は5分ほどで確認できますので、まずはお気軽にお問い合わせください。



