障害年金はさかのぼってもらえる?遡及請求は難しい?
「もっと早く障害年金を申請していれば、過去の分ももらえたかもしれない…」
「今からでもさかのぼって請求できるのだろうか?」
障害年金の申請を考え始めたとき、こうした後悔や疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
結論、要件を満たせば、過去にさかのぼって障害年金を受け取れる場合があります。
さかのぼれるのは、原則として障害認定日までです。障害認定日とは、初診日から1年6か月が経過した日を指します。
この記事では、障害年金の遡及請求について、うつ病による障害年金を専門にサポートしている「全国障害年金パートナーズ」の宮里が解説します。
私たちはこれまでに累計2,700名以上、年間約500名の受給をサポートしてきました。ただし、遡及請求は現在の請求よりも難しく、当社での成功率も18.44%にとどまります。
だからこそ、早い段階で自分が対象になるかを確認することが大切です。障害年金の申請を考えている方は、まず無料判定をご利用ください。下記より5分ほどで結果がわかります。
障害年金の遡及請求(障害認定日請求)とは?

遡及請求(障害認定日請求)とは、障害認定日の時点で障害等級に該当する状態だったにもかかわらず、何らかの理由でそのときに請求をしておらず、時間が経ってから請求する方法です。
障害認定日当時にさかのぼって年金を受け取れる可能性があるため「遡及請求」と呼ばれています。ただし、時効があり、さかのぼれる期間には限りがあります。
「診断が出た直後は治療に必死で、障害年金の申請どころではなかった」「そもそも障害年金の制度を知らなかった」など、遡及請求を検討する背景にはさまざまな事情があるでしょう。
どのような経緯であっても、要件を満たしていれば、過去にさかのぼって年金を受け取れる可能性が残されています。
なお、障害年金の受給要件は以下の記事にて詳しく解説しています。

遡及請求のやり方【8ステップ】
遡及請求のやり方を8ステップでお伝えします。初診日の特定や診断書の取得など、やることが多いため、一つ一つ丁寧に進めていきましょう。
①初診日を特定して証明する
まず、初診日(その病気やケガで初めて医師の診察を受けた日)を確定します。初診の医療機関で「受診状況等証明書」を取得するのが基本です。
初診日は障害認定日や納付要件の起点になるため、遡及請求では最初の関門になります。カルテの保管期限(5年)が過ぎていると証明が難しくなる可能性があるので、早めの着手が重要です。
もし初診の医療機関がすでに廃院している、あるいはカルテが残っていない場合でも、やり方によっては、証明できるケースもあります。たとえば、お薬手帳や診察券、健康保険の医療費通知など、初診日を推測できる資料を組み合わせる方法です。
一人で判断せず、社労士や年金事務所などへの相談をおすすめします。
②障害認定日を確定する
次に、障害認定日を確認します。障害認定日は、原則として初診日から1年6か月が経過した日です。
障害認定日時点で等級に該当していない場合でも請求書の提出自体はできますが、遡及請求としては支給対象になりません。
③保険料納付要件を確認する
初診日の前日時点で、一定期間の保険料を納付(または免除)しているかを確認します。年年金事務所で過去の納付記録を照会すると、確認できます。
保険料の納付要件を満たしていないと、障害年金を受け取れない可能性があります。遡及請求を検討する前に、早い段階で確認しておきましょう。
④診断書を2枚用意する
遡及請求では、原則として次の2枚の診断書が必要です。
- 障害認定日から3か月以内の状態が記載されているもの
- 請求日前3か月以内の状態が記載されているもの
この2枚それぞれが、各時点で障害認定基準を満たしている必要があります。障害認定日当時の診断書を書いてもらうには、認定日から3か月以内に受診歴があることが前提です。
なお、認定日から1年以内に請求する場合など、診断書が1枚で足りる例外もあります。
⑤病歴・就労状況等申立書を作成する
病歴・就労状況等申立書は、発病から現在までの経過や、日常生活・就労の状況を時系列でまとめる書類です。診断書の内容と矛盾がないように整えることが、審査で不利にならないためのポイントです。
体調的に難しい場合は、社労士や家族による代筆も可能です。文章にまとめる作業自体が大きな負担になる場合は、無理をして自分だけで抱え込む必要はありません。

⑥その他の必要書類をそろえる
年金請求書、基礎年金番号がわかるもの、戸籍関係書類、振込先口座の情報などを準備します。
ケースによって必要書類は変わるため、事前に社労士や年金事務所に確認しておくと、書類の不備による手続きの遅れを防ぎやすくなります。
⑦年金事務所(または市区町村の窓口)に提出する
書類一式を年金事務所、または市区町村の窓口に提出します。提出前に、診断書の重要項目(日常生活能力の判定・程度など)に記入漏れや実態とのズレがないかをチェックしておくと安心です。
提出後の修正には、時間がかかることもあります。提出前のチェックを丁寧に行うことが、結果的にスムーズな審査につながるでしょう。
⑧審査・結果を待つ
申請書類の受理から通常3〜4か月程度で結果が出ます。遡及が認められれば、初回の振込時に過去分がまとめて入金されます。
遡及請求が認められるための条件

遡及請求は誰でも自由に選べる手続きではなく、条件を満たすことで初めて成立します。ここでは、遡及請求が認められるために押さえておきたい2つの条件をお伝えします。
障害認定日当時と現在の状態を証明できる
遡及請求では、原則として2枚の診断書が必要です。
1枚は、障害認定日から3か月以内の状態を記載した診断書です。もう1枚は、現在の状態を記載した診断書です。
この2枚で、障害認定日当時と現在の両方で障害等級に該当していることを示します。どちらか一方しか基準を満たしていないと判断されると、遡及分が認められない場合があります。
ただし、障害認定日から1年以内に請求する場合など、診断書が1枚で足りるケースもあるため、判断に迷う場合は、社労士や年金事務所に相談しましょう。
過去分は原則5年分までしか受け取れない
障害年金の遡及請求で特に注意すべきポイントは、5年という期間です。障害認定日から5年以上経過した後でも請求はできます。しかし、請求時から5年より前の障害年金は、時効により原則として受け取れません。

つまり、請求が遅れれば遅れるほど、本来受け取れたはずの過去分が、月を追うごとに少しずつ消えていってしまいます。「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにすると、結果的に損失につながるケースは少なくありません。
障害年金の遡及請求は難しいと言われる3つの理由
「障害年金の遡及請求は難しい」と言われることもありますが、なぜなのでしょうか。
障害認定基準を満たしていないことを理由に不支給になることもありますが、書類がそろわず、遡及請求として進めるのが難しくなるケースもあります。
ここでは、難しいと言われる3つの理由を見ていきましょう。
カルテの保管期限は5年で、すでに廃棄されている可能性があるから
医療機関におけるカルテの保管期限は5年と法律で定められており、5年を過ぎると廃棄されてしまう可能性があります。カルテが残っていないと、障害認定日当時の症状を客観的に証明するのが難しくなります。
ただし、保管期限が過ぎていても、必ずしも廃棄されているとは限りません。
医療機関の運用によっては、期限を過ぎても資料が残っている場合もあるため、まずは当時受診していた医療機関へ確認してみることをおすすめします。
障害認定日当時の医師が転院・退職しているケースがあるから
障害認定日当時の主治医がすでに退職していたり、病院が閉院していたりする可能性もあります。その場合、当時の状態を正確に把握している医師がいないため、診断書の作成そのものが困難になるかもしれません。
ただし、カルテを基に別の医師が診断書を作成できるケースもあります。あきらめてしまう前に社労士や医師への相談をおすすめします。
障害認定日から3か月以内に受診していないと診断書が作成できないから
そもそも障害認定日から3か月以内の期間に受診していなければ、その時点の状態を記載した診断書自体が存在しないことになります。この場合、当時の状態の立証が難しくなります。
こういった難しい遡及請求は、うつ病による障害年金専門の社労士事務所「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。状況を丁寧にヒアリングしたうえで、対応しています。
遡及請求の結果は「支給・却下・不支給」のいずれか

障害年金の審査結果は以下の3つに分けられます。
| 審査結果 | 内容 |
|---|---|
| 支給 | 障害年金を受給できる |
| 却下 | 初診日を証明できない場合や、必要な診断書がなく障害状態を審査できない場合などに、請求が却下されることがある |
| 不支給 | 保険料納付要件を満たしていない場合や、審査の結果、障害等級に該当しないと判断された場合などに不支給となる |
つまり、却下は、初診日を証明できない場合や必要な診断書がない場合など、受給要件を判断するための前提が整わないときに行われることがあります。
一方、不支給は、障害等級に該当しない場合や保険料納付要件を満たさない場合など、支給要件を満たしていないと判断された場合を指します。
診断書には、審査に影響する重要な項目があります。たとえば、日常生活能力の判定・程度、現症日、就労状況、援助の必要性などです。
これらに記入漏れがあると、内容確認や訂正を求められる場合があります。
また、病歴・就労状況等申立書の内容と診断書の内容に大きな矛盾がある場合は、審査で不利に評価され、不支給につながるケースも否めません。提出前に、重要な項目が実際の生活状況と食い違っていないか、しっかり確認するようにしましょう。
一方で、体調が優れない中で、病歴・就労状況等申立書を自分で書くのは大きな負担です。この書類は、社労士や家族による代筆もできます。
特に遡及請求は、過去の状態を整理して伝える必要があるため、判断や書類作成が難しくなりやすい手続きです。
不安がある方は、障害年金専門の社労士事務所である「全国障害年金パートナーズ」へお気軽にご相談ください。

障害年金を遡及請求するときに知っておきたい注意点
遡及請求が認められると、過去分の年金がまとまって入金されるため、大きな安心につながります。ただし、受給が決まった後に思わぬ手続きや影響が生じることもあるため、あらかじめ知っておきたい注意点を3つお伝えします。
遡及請求が認められても、更新が必要になる場合がある
障害年金は、要件を満たしている間は受給を続けられますが、一度決まったら自動的に一生支給され続けるとは限りません。
うつ病などの精神疾患の場合は「有期認定」となるケースが多く、1〜5年ごとに更新の審査が行われます。
更新時には、その時点での症状や生活状況をもとに、受給が継続されるかどうかが判断されます。遡及請求が認められたからといって、その後の更新が自動的に通るわけではない点に注意が必要です。
なお、更新で支給停止になりやすいタイミングは次のとおりです。
- 主治医が変わり、実際の生活状況が十分に診断書へ反映されていないとき
- 短時間勤務や配慮付き勤務である、欠勤が多い、職場の支援があるといった実態が伝わっていないとき
- 家族や支援者のサポートがあるから生活できているのに、自立して生活できているように見られてしまったとき
- 処方薬が減った理由が改善ではなく副作用や体調不良などによるものなのに、改善したと誤解されたとき
- 一人暮らしになり、日常生活を自立して送れていると評価されたとき
更新のたびに、自分の実態を正確に伝える意識を持つことが、継続受給のために大切です。診察の際、医師に日常生活の状況を短時間で正しく伝えるのは簡単なことではありません。
だからこそ、日頃から困っていることをメモしておき、診察時にそのまま伝えられるようにしておくといった工夫も、有効な対策のひとつになります。


健康保険の扶養から外れる可能性がある
障害年金を受給すると、配偶者などの健康保険の扶養に入れなくなる可能性が出てきます。
健康保険の扶養は、過去年収ではなく、原則として認定時点以降の今後1年間の見込み収入で判断されます。そのため、遡及分の一括入金だけで自動的に扶養から外れるとはいえませんが、加入している協会けんぽ(全国健康保険協会)や健康保険組合への確認が望ましいです。
たとえば、協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合、障害年金を受給している方は、年間収入180万円未満が扶養認定の一つの目安です。
扶養から外れると、自分で健康保険料を支払わなければなりません。現在の障害年金の受給額と健康保険料の負担額を比較したうえで、生活全体への影響を把握しておくことが重要です。

傷病手当金を受け取っている場合、返還や調整が必要になることがある
同じ病気やケガで、障害厚生年金と傷病手当金の対象期間が重なる場合は、返還や調整が必要になることがあります。
原則として調整されるのは、傷病手当金です。障害年金の日額が傷病手当金の日額以上であれば、傷病手当金は支給されません。傷病手当金のほうが高い場合は、差額のみ支給されます。
特に注意したいのは、遡及請求で障害年金をさかのぼって受け取るケースです。すでに受け取った傷病手当金と期間が重なると、あとから一部返還を求められる場合があります。
また、障害年金の入金日と、傷病手当金の返還時期は同じとは限りません。まとまった遡及分が入っても、すぐに使ってしまうと返還が難しくなる可能性があります。
一括での返還が難しい場合は、分割で返還できることもあります。協会けんぽや健康保険組合に相談してみましょう。
両方を満額受け取れるわけではありませんが、障害年金のほうが傷病手当金より高い場合は、結果的に手取りが増えるケースもあります。自分の場合にどうなるか、事前に確認しておくことが大切です。
障害年金の遡及請求に関するよくある質問
障害年金の遡及請求に関するよくある質問に回答します。
Q. 遡及請求と障害認定日請求は同じですか?
遡及請求は、障害認定日による請求を認定日より後に行う場合の実務上の呼び方です。両者は別の請求制度ではありません。
障害認定日時点で障害等級に該当していたことが認められると、原則として障害認定日の属する月の翌月分から支給対象になります。ただし、請求時から5年より前の年金は、時効により原則として受け取れません。
Q. 遡及請求の成功率はどのくらいですか?
遡及請求の成功率に関する公式のデータはありません。
しかし、「事後重症請求(障害認定日には障害等級に該当しなかったものの、その後症状が悪化し、65歳に達する前に等級に該当する状態になった場合に選択する請求方法)」と比較して難しいとされています。
「障害認定日」と「現在」の両方で一定の障害等級に該当している必要があり、基準を満たさない場合は却下されるか、事後重症請求への切り替えを求められるためです。
なお、全国障害年金パートナーズの場合、遡及請求の成功率は18.44%です。
Q. 診断書がないと遡及請求は無理でしょうか?
遡及請求では、原則として「障害認定日から3か月以内の状態を記載した診断書」と「現在の状態を記載した診断書」の2枚を提出する必要があります。その2枚の診断書をそろえられなければ、遡及請求は難しくなります。
ただし、診断書がそろわない場合でも、事後重症請求など別の請求方法に切り替えられる可能性はあります。あきらめる前に、一度社労士や年金事務所に相談してみることをおすすめします。
Q. 遡及請求の結果はいつわかりますか?
障害年金の申請が受理されてから通常3〜4か月程度で結果がわかるケースが多いです。ただし、提出書類の不備や審査の混み具合によっては半年程度かかるケースもあります。
Q. 遡及請求が認められた場合、いつ振り込まれますか?
遡及請求が認められた場合は、初回の振込時に過去分の年金がまとまって入金されます。年金は原則として、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日に振り込まれます。15日が土日祝日に当たる場合は、その直前の平日が振込日です。
Q. 一番症状が重かった時期までさかのぼれますか?
遡及請求でさかのぼれるのは、あくまで「障害認定日」の時点までです。
障害認定日前に一時的に症状が重くなった時期があったとしても、その時期まで個別にさかのぼれるわけではありません。
Q. 遡及請求をすれば誰でも5年分もらえますか?
誰でも5年分を受け取れるわけではありません。障害認定日がいつだったか、そこから何年が経過しているか、そして認定日当時の診断書を取得できるかどうか、などによって実際にさかのぼれる期間は変わります。
障害認定日からまだ日が浅い場合は、その分の遡及分にとどまります。
Q. 不支給だった場合、もう一度申し立てはできますか?
不支給決定に納得できない場合は、決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に、地方厚生局の社会保険審査官へ「審査請求」を行えます。
審査請求でも認められなかった場合は、さらに社会保険審査会へ「再審査請求」を行えます。再審査請求は、審査請求の決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に行う必要があります。
障害年金の遡及請求は「全国障害年金パートナーズ」へ

障害年金の遡及請求は、過去の状態を証明する必要があるため、決して簡単な手続きではありません。カルテの保管期限、医師の異動、5年の時効など、時間の経過とともに不利になる要素がいくつも存在します。
だからこそ、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、できるだけ早く動き出すことが重要です。
また、うつ病などの精神疾患の場合は、診断書の内容がそのまま審査結果に直結します。自分の生活状況を具体的に言葉にして医師に伝えること、家族や支援者からのサポート状況も含めて正確に反映してもらうことが、遡及請求を成功させるためのポイントです。
「自分は遡及請求できるのか」と不安なら一人で悩まず、お気軽に「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。
全国障害年金パートナーズは、うつ病による障害年金申請を専門に、全国の方のサポートを行っています。累計2,700名以上、年間約500名の受給実績があり、申請の準備から書類作成・提出まで一貫してサポートしています。
過去には、40代男性がうつ病で遡及請求をして、遡及請求では3級、事後重症にて2級に変更されました。つまり、遡及分では3級が妥当と判断され、現在分の等級は2級とみなされたということです。遡及額は約300万円で、年金額は年間約180万円です。(お客様の声より)
障害年金の申請を検討している方の中には「遠方ですが大丈夫ですか?」「直接会って話をするのは緊張する…」とのお声もよくいただきます。全国障害年金パートナーズの場合、どちらも問題ありません。
どこの年金事務所に書類を提出しても、審査は東京に集められて行われるため、地域によって障害年金の成功率が変わることはありません。
また、対面して話をするのが苦手な方も多いため、電話やメールでのご相談を中心に対応しています。外出が難しい方もご依頼いただけますので、お気軽にお問い合わせください。



