障害年金が不支給になる事例6選!よくある理由を社労士が解説

「障害年金が不支給になる事例はどんなものがあるのだろうか?」「自分がこれから申請するにあたって、不支給になりたくない」といったお悩みを抱えていないでしょうか。

障害年金の不支給はめずらしいことではありません。申請者の中には、本来受給できるはずの方が書類の準備不足や手続き上の誤りによって、不支給になってしまうケースもあります。

この記事を解説するのは、累計2,700名以上・年間約500名の障害年金受給をサポートしてきた社労士事務所「全国障害年金パートナーズ」代表の宮里です。実際に不支給となった事例をもとに、その理由と不支給を防ぐための具体的な対策をお伝えします。

今まさに不支給通知を受け取って途方に暮れている方や、これから申請を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

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そもそも障害年金が「不支給」とはどういうことか?

そもそも障害年金が「不支給」とはどういうことか?

障害年金の申請をすると、審査を経て結果が通知されます。審査の結果、障害等級に該当すると認められれば「支給決定」となります。しかし、該当しないと判断された場合には「不支給決定」となり、年金を受け取れません。

ただし、不支給通知が届いた場合でも、一定の期間内であれば「審査請求」をすることで不服を申し立てられます。

ちなみに、不支給とよく混同されるものに、「却下」という処分があります。

不支給は、提出された診断書や申立書などをもとに審査された結果、「障害等級に該当しない」と判断される場合です。

一方、却下は、初診日や保険料納付要件、書類・手続き上の要件などを満たしていないため、障害状態の審査に進めない、または請求自体が認められない場合に行われる処分です。

つまり、不支給は「障害状態を審査した結果の判断」であり、却下は「請求の前提となる要件を満たしていない場合の判断」といえます。

この区別を知っておくことは、次の対応を考えるうえで非常に重要です。

障害年金が不支給になった事例6選

障害年金が不支給になった事例6選

障害年金の不支給は特定の方に限った話ではなく、誰にでも起こりうることです。

特にうつ病のような精神疾患は、症状が数値で測れないため、書類の記載内容が審査結果を大きく左右します。また、勘違いや思い込みで障害年金を受給できるにもかかわらず、申請しない方も少なくありません。

ここからは、実際に障害年金の相談を受けてきた中でよく見られる、不支給のパターンをご紹介します。

診断書に日常生活の困難さが正確に記載されていなかった

不支給の原因として特に多く見られるのが、診断書に実態が十分反映されていないケースです。

医師は治療の専門家ですが、障害年金の審査基準や診断書の書き方に詳しいとは限りません。診察室での数分間の様子だけをもとにすると、「日常生活能力の判定」や「日常生活能力の程度」の欄に実態よりも軽い評価が書かれてしまう場合があります。

この欄の評価が軽いと「等級非該当」と判断されてしまい、不支給となってしまいます。対策としては、日常生活の困難をまとめた「生活実態メモ」を事前に作っておき、診断書を依頼するときに医師へ渡すのが有効です。

診断書と病歴・就労状況等申立書の内容に矛盾があった

診断書と病歴・就労状況等申立書の内容に矛盾があるのも、不支給となるケースです。

審査担当者は、診断書と病歴・就労状況等申立書を照らし合わせながら審査を行います。

診断書には「外出困難」と記載されているのに、病歴・就労状況等申立書では「定期的に通院できていた」と書かれていると、両者の内容に矛盾があることになります。書類間での矛盾が見つかることは、不支給の原因の一つです。

病歴・就労状況等申立書を作成する場合には、必ず診断書の内容と整合性が取れているかをチェックしましょう。矛盾が生じやすい箇所としては、就労状況・通院状況・日常生活の可否などが挙げられます。

初診日の証明ができなかった

障害年金が不支給になる事例として、初診日の証明ができなかったケースも挙げられます。

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診察を受けた日のことです。

障害年金では、この初診日を基準に、加入していた年金制度や保険料納付要件、障害認定日などが判断されます。そのため、初診日を確認できない場合、障害年金の請求が認められない可能性が高くなります。

下記の理由で、初診日の証明書(受診状況等証明書)が取得できずに不支給となるケースがあります。

  • 転院を重ねてカルテが引き継がれていない
  • 当時の医療機関がすでに廃院している
  • 保存期間を過ぎてカルテが破棄されている

ただし、初診日の証明書が取得できない場合でも、当時の診察券や薬の処方箋、健康保険の給付記録などを代替資料として活用できる可能性があります。

また、精神疾患については、初診時に「適応障害」や「不眠症」「神経症」などの診断名がついていても、その後「うつ病」と診断が変わった場合、最初の診察日を初診日として扱える可能性もあります。当時の病名にとらわれず、症状のつながりを確認することが大切です。

保険料納付要件を満たしていなかった

年金の保険料に未納期間があると、症状がどれほど重くても不支給となる場合があります。

ただし、免除制度を正しく活用していれば救済されるケースもあり、「納めていなかったから無理」と最初から諦めてしまうのはもったいない状況です。

免除制度(全額免除・一部免除・猶予制度など)が適用されていた期間は、未納ではなく免除期間として扱われるため、納付要件を確認するときに、免除期間として含めて計算されます。

中には、本人が免除申請をした記憶がない場合でも、配偶者の収入状況や住民票上の世帯構成などによって自動的に申請が通っていたケースや、当時の年金事務所の案内をもとに免除申請が行われていたケースがあります。

そのため、「保険料を払っていなかったから無理だ」と決めつけるのは早計です。

年金記録を確認した結果、免除申請が認められており、要件を満たしていたというケースも実際にあります。年金事務所で納付状況を確認してみてください。

年金事務所での誤った説明を鵜呑みにしてしまった

年金事務所の窓口職員は年金全般を担当しており、障害年金の専門家とまではいえません。

本来は特例や免除規定によって救済できるケースであっても、「あなたは対象外です」と誤った説明がなされてしまう場合があります。

窓口でそのように言われると、多くの方がそのまま申請をあきらめてしまうでしょう。しかし、実際には要件を満たしていたケースも少なくありません。窓口の説明だけを信じるのではなく、プロである障害年金専門の社労士に改めて確認することが大切です。

障害年金専門の社労士であれば、個別の状況をもとに受給可能性を正確に判断できます。

「働いているからもらえない」と誤解して申請をあきらめていた

「働いていると障害年金はもらえない」と誤解している方がいます。しかし、就労していることは、不支給になる原因にはなりにくいです。

仕事内容や勤務時間、職場での配慮の状況、欠勤や業務制限の有無などを含めて、労働にどの程度の制限が生じているかが総合的に判断されます。

実際に、職場での配慮を受けながら働いている方が障害年金3級に認定されたケースもあります。申請を最初から諦めてしまうことは、機会損失といえるでしょう。

たとえば、下記のような配慮がされていれば、就労制限の実態として、正しく評価される情報になります。

  • 専門性の高い仕事から判断を要しない単純作業のみに移行した
  • 外部からの電話対応が免除されている
  • 体調不良による急な遅刻・早退が認められている
  • 残業・休日出勤がなくなっている
  • ストレスを受けないよう仕事場所を静かな環境に変えてもらった

こうした職場での状況を、診断書や病歴・就労状況等申立書に正確に反映させることが重要です。「働いているから障害年金の審査は通らないだろう」と感じている方ほど、一度社労士に相談してみてください。

障害年金の不支給を防ぐために知っておきたい3つの申請要件

障害年金の不支給を防ぐために知っておきたい3つの申請要件

障害年金の申請には、満たさなければならない3つの要件があります。具体的には次のとおりです。

  • 初診日要件
  • 保険料納付要件
  • 障害状態要件

どれかひとつでも欠けると支給されません。申請前に自身がこれらの要件を満たしているかどうかを確認することが、不支給を防ぐ第一歩です。詳しく見ていきましょう。

初診日要件

初診日は、単に「最初に病院に行った日」ではなく、障害年金を申請する上で起点となる重要な日付です。初診日をどこに定めるかによって、受給できる年金の種類も異なります。

初診日に国民年金、または厚生年金のいずれかに加入していることが原則として必要です。たとえば、初診日の時点で会社員だったケースと勤めていなかったケースで比較してみましょう。

初診日時点での状況対象となる年金の種類
会社員で厚生年金に加入障害厚生年金
国民年金に加入障害基礎年金

ただし、初診日が20歳未満のケースや、特定の条件を満たす場合は例外が認められることもあります。

初診日が20歳前にある場合は、「20歳前傷病」として障害基礎年金の対象になるケースがあります。

学生時代や幼少期に初めて病院を受診していた方でも、障害年金を受け取れる可能性は否定できません。「昔のことだから関係ない」と自己判断せず、初診日の時期や当時の受診状況を確認してみることが大切です。

また、初診日をいつとするかによって保険料納付要件の計算期間も変わってくるため、正確な初診日の特定は重要です。記憶が曖昧な場合や医療機関が変わっている場合は、早めに社労士に相談することを検討してください。

保険料納付要件

保険料納付要件では、原則として、初診日の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上が保険料の納付済期間または免除期間であることが必要です。

ただし、3分の2要件を満たしていない場合でも、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、保険料納付要件を満たせる場合があります。

そのため、過去に未納期間がある場合でも、すぐに障害年金を諦めるのではなく、まずは保険料納付状況を正確に確認することが大切です。

納付要件を満たしているかどうかは、年金事務所で過去の記録をもとに確認できます。

障害状態要件

障害認定日(原則として、初診日から1年6か月後)時点、または事後重症の場合は請求時点において、障害基礎年金は1・2級、障害厚生年金は1〜3級のいずれかの障害等級に該当していることが必要です。

障害状態要件では、提出した診断書の内容をもとに、障害等級に該当するかどうかが判断されます。

障害年金の等級は、病名の重さだけで決まるものではありません。日常生活にどの程度の支障が出ているかも重視されるため、生活上の困難さを診断書に正確に反映してもらうことが重要です。

障害年金の不支給を防ぐポイント【診断書】

障害年金の不支給を防ぐポイント【診断書】

障害年金の審査において、診断書は重要な書類です。どれほど症状が重くても、診断書に実態が記載されていなければ、審査担当者には伝わりません。

診断書は医師が作成するものですが、患者側が日常生活の状況を正確に伝えることで、内容の精度を高められます。ここからは、診断書作成において、不支給を防ぐためのポイントを見ていきましょう。

①:診断書の記入漏れ・内容の誤りをチェックする

診断書が手元に届いたら、提出前に必ず内容を確認してください。記入漏れがないかどうかはもちろん、実際の症状や日常生活の状況と内容にズレがないかをチェックすることが重要です。

特に「日常生活能力の判定」や「日常生活能力の程度」が実態より軽く評価されている場合、不支給になったり、等級が低く認定されたりする原因になります。

もし違和感を覚える箇所があれば、具体的な生活状況を改めて伝えたうえで、医師に修正をお願いしてみてください。

②:医師が診断書の作成に消極的な場合は転院を検討する

診断書を依頼しても「書けない」と断られたり、作成を先延ばしにされたりすることがあります。そのような場合は、転院という選択肢を検討することも一つの方法です。

障害年金に理解のある医師に変わることで、適切な診断書を作成してもらえる可能性があります。

実際のところ、診断書を書いてもらえないことを理由に転院するケースはめずらしくありません。状況が改善しない場合は、早めに環境を変えることも重要です。

全国障害年金パートナーズでは、全国2,500以上の医療機関に関する情報を蓄積しており、お住まいの近くで適切な医療機関を探すサポートもしています。どこに相談したらよいかわからない方は、まずは私たち「全国障害年金パートナーズ」にご相談ください。

障害年金の不支給を防ぐポイント【病歴・就労状況等申立書】

障害年金の不支給を防ぐポイント【病歴・就労状況等申立書】

病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの経過や日常生活の状況を自分で記述する書類です。診断書と並んで、審査における重要な判断材料となります。

形式的には自分で書く書類ですが、内容が審査結果を大きく左右するため、軽視することはできません。特に、診断書との整合性が保たれているかどうか、経過の流れが審査担当者にわかりやすく、伝わる形になっているかどうかが重要です。

ここからは、不支給を防ぐための具体的なポイントについて見ていきましょう。

通院しなかった時期や就労できていた時期について説明する

病歴・就労状況等申立書には、発症から現在に至るまでの経過を時系列で記載する必要があります。「通院していなかった期間」や「就労できていた時期」があると、審査担当者から見て、症状の経過に不自然な空白があるように映ることがあります。

うつ病を例にとってみると、経過は一本調子ではなく、波があるのが自然です。調子の良い時期と悪い時期を繰り返しながら、長期的には生活に支障が出続けている方もいるでしょう。

しかし、背景が病歴・就労状況等申立書に記されていなければ、審査担当者には「この時期は元気だったのでは?」と映ってしまう可能性があります。

空白期間に対する問いと回答の例を下記の表にまとめました。

スクロールできます
問い回答の例
なぜこの時期は通院していなかったのか?受診するための交通費が払えなかった
病院に行く気力も体力も残っていなかった
なぜこの期間は就労できていたのか?上司の強い指示で無理をして出社していたが、実際にはほとんど仕事ができていなかった
欠勤を繰り返しながらも職場に在籍していた状態だった

実際の理由を率直に書いたり、見た目の状態と実態のギャップをきちんと説明したりすることが重要です。

審査担当者は病歴・就労状況等申立書を読んで、納得できるかどうかを判断しています。不自然な空白があれば必ず目に留まるため、空白を作らず、経過の背景を丁寧に説明するように心がけてください。

社労士や家族が代筆できる旨も知っておく

体調が著しく悪く、自分で文字を書くことが難しい場合は、社労士や家族による代筆が認められています。病歴・就労状況等申立書の最後にある「代筆者欄」に代筆した方の氏名・続柄・住所などを記載すれば問題ありません。

「書類は自分で書かなければいけない」と思い込み、無理をして書こうとする方がいますが、そのような義務はありません。

体調の悪い中で無理に書くことで内容が断片的になったり、重要な情報が抜け落ちたりするのは不支給につながるリスクがあります。制度に詳しい社労士や状況をよく理解している家族に代筆してもらうほうが、結果として正確な内容になることもあるでしょう。

特に社労士が代筆・作成サポートを行う場合は、ヒアリングを通じて審査に重要な情報を引き出しながら記載します。自分ではうまく書ける自信がない方は、遠慮せずに社労士への相談を検討してみてください。

障害年金が不支給になった後にできること

不支給通知を受け取っても、受給するためにできることがあります。

審査結果に納得できない場合は、不服申し立ての手続きを行えるほか、要件を満たす状況になれば、改めて申請をやり直すことも可能です。ここでは、混同しがちな審査請求と再審査請求、再申請について解説します。

審査請求と再審査請求

不支給決定に納得できない場合は、決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に、地方厚生局の社会保険審査官へ「審査請求」を行えます。

審査請求でも認められなかった場合は、さらに社会保険審査会へ「再審査請求」を行うことも可能です。再審査請求は、審査請求の決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に行う必要があります。

ただし、審査請求の段階で適切な主張・書類を準備できるかどうかが、結果を左右します。一度不支給になった経験がある方は、社労士に相談したほうがより受給できる可能性が高まるでしょう。

再申請

審査請求とは別に、新たに申請し直す「再申請」という方法もあります。前回の申請からある程度時間が経って症状が悪化したり、書類の内容を大幅に見直せたりする場合は、再申請を選んだほうが有効なケースもあります。

ただし、前回と同じ内容で再申請しても、結果が変わらない可能性が高いため、不支給の原因を正確に分析し、改善した内容で申請することが不可欠です。

過去に一度不支給や却下になった経験がある方は、障害年金受給の難易度が上がるため、再申請の際には社労士の力を借りることを検討してください。

社労士であれば、前回の不支給の原因を分析し、どのように書類を整えれば審査に通りやすくなるかを具体的にアドバイスできます。

障害年金の不支給事例にならないために社労士を頼ろう

障害年金の不支給事例にならないために社労士を頼ろう

障害年金の申請は、要件の確認から書類の収集・作成・提出まで、多くのステップを経る必要があります。

制度を正しく理解し、書類の内容を適切に整えることが受給の可否を大きく左右するため、社労士のサポートを受けることが有効です。

特に、下記のケースに当てはまる方は、社労士への依頼をおすすめします。

  • うつ病・双極性障害など症状が数値化しにくい精神疾患にかかっている
  • 初診日が不明確または初診の医療機関が廃院している
  • 過去に申請して不支給・却下になった経験がある
  • 体調が悪く自分で書類を集める余裕がない
  • 対人コミュニケーションに不安があって年金事務所に行くこと自体が大きな負担になる

年金事務所でのやり取りの内容が審査に影響することもあるため、伝え方に不安がある場合も社労士に相談することを検討してみてください。

年金事務所は、障害年金の公式な手続き窓口ですが、申請の最終的な可否判断は日本年金機構が行います。年金事務所は、あくまで書類の形式的な確認や案内が主な役割です。

個別の事情に踏み込んだ受給可能性の判断や、申請書類の作成支援・代行までは行っていません。社労士は、受給可否の見通しを立てるところから書類作成・提出まで一貫したサポートを行います。

障害年金専門の社労士事務所「全国障害年金パートナーズ」は、累計2,700名以上の受給をサポートしてきました。

障害年金成功率は98.98%で、年間約500名の方が当事務所のサポートを通じて障害年金を受給されています。

「自分は受給できるのだろうか」「一度不支給になったけれど、もう一度挑戦できるだろうか」といった不安をお持ちの方は、ぜひ全国障害年金パートナーズにご連絡ください。

» 障害年金について「全国障害年金パートナーズ」に問い合わせる

社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ代表
うつ病の障害年金を2400名以上成功させた社労士
宮里竹識(みやざと たけし)は、うつ病の障害年金に特化した特定社会保険労務士です。障害年金を通じて、うつ病で働けない人に経済的な安心を届ける支援を行っています。初診日や病歴・就労状況等申立書の設計、医師診断書の記載支援など、障害年金の実務全体を一貫してサポートしています。

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