障害年金と老齢年金の併給はできる?65歳以上のケースを紹介
「65歳になったら、今もらっている障害年金はどうなるの?」「障害年金と老齢年金は、併給できるのかな?」
そんな疑問をお持ちではありませんか。
結論、1人1年金が原則で、障害年金と老齢年金のいずれかを選ぶことになります。
しかし、状況によっては、障害基礎年金と老齢厚生年金をどちらも受け取ることが可能です。
この記事では、累計2,500名以上のうつ病による障害年金受給をサポートしてきた「全国障害年金パートナーズ」の宮里が、障害年金と老齢年金の併給ルールや、65歳以降の受け取り方について解説します。
選択を間違えずに損したくない方は、将来の安心のためにぜひご一読ください。
また、もし自分が障害年金を受けられるか気になる方は、私たち「全国障害年金パートナーズ」の無料判定を受けてみませんか。下記より5分でできるので、ぜひお試しください。
【結論】障害年金と老齢年金の併給は原則的には不可

原則として日本の年金制度は「1人1年金」です。複数の年金を受け取る権利があっても、重複して受け取ることはできませ
しかし、年齢によってそのルールが大きく変わります。まずはご自身の年齢と照らし合わせて、基本的な仕組みを理解しましょう。
【65歳未満の場合】いずれかの選択が原則(併給はできない)
65歳になるまでは、たとえ障害年金と老齢年金(繰り上げ受給など)の両方の受給権を持っていても、同時に受け取ることはできません。
どちらか一方を選択して受け取ることになります。
たとえば、60歳から老齢年金を繰り上げ受給している途中で、うつ病により障害年金の受給が決まったとします。その場合は「老齢年金」か「障害年金」のどちらか一方を選んで受給しなければなりません。
一般的には、金額が高くなりやすい障害年金を選択するケースが多い傾向にあります。老齢年金を繰り上げると減額されてしまったり、障害年金が非課税であったりするためです。
【65歳以上の場合】併給が可能になる
65歳を過ぎると特例が適用されます。「障害基礎年金」と「老齢厚生年金」といった、異なる種類の年金を組み合わせて受け取ること(併給)が可能になります。
年金は「1階部分(基礎年金)」と「2階部分(厚生年金)」の2階建て構造です。
65歳以降は、以下の3つのパターンからご自身にとって最も受給額が多くなる組み合わせを選ぶことになります。

| パターン | 特徴・内容 |
|---|---|
| 障害基礎年金 + 障害厚生年金(障害年金のみ) | これまで通り、障害年金だけを受け取るパターンです。障害厚生年金の金額が大きい場合や、老齢年金の納付期間が短い場合などに選ばれることがあります。このパターンの最大のメリットは、全額が「非課税」であることです。 |
| 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金(老齢年金のみ) | 障害年金を停止し、一般的な老齢年金を受け取るパターンです。障害等級が軽い(または落ちた)場合や、現役時代の収入が高く老齢年金の額が多い場合に有利になることがあります。ただし、老齢年金は「課税対象」となる点に注意が必要です。 |
| 障害基礎年金 + 老齢厚生年金(併給) | これが65歳以上の特例による併給パターンです。1階部分の「障害基礎年金」と、2階部分の「老齢厚生年金」を組み合わせて受け取ります。障害基礎年金(定額で比較的高い)と、会社員時代の納付実績に基づく老齢厚生年金の両取りができるため、多くの方にとって受給額が最も多くなる選択肢です。 |
障害基礎年金と老齢基礎年金の2つの基礎年金をあわせて受けることはできません。基本的には合計額が一番高いパターンを選ぶ方がほとんどです。
障害年金と老齢年金の併給シミュレーション
実際にどのくらい金額が変わるのかイメージしましょう。
障害基礎年金2級+障害厚生年金2級(厚生年金加入10年)の方が、65歳になったときに受給できる老齢年金についてシミュレーションします。

障害基礎年金2級:年間約83万円、障害厚生年金2級:年間約62万円
合計:年間約145万円
老齢基礎年金:年間約41.5万円、老齢厚生年金:年間約60万円
合計:年間約101.5万円
つまり、このシミュレーションでは、65歳になっても障害年金を受給し続けるほうが年間約43.5万円金額が多いことがわかります。
ただし、年度によって金額が変わる点は押さえておきましょう。
また、障害年金や老齢年金の金額は人によってそれぞれ異なるため、自分のケースはどうか綿密にシミュレーションする必要があります。
詳しくは、年金事務所の予約を取り、説明してもらうのがおすすめです。年金事務所なら無料で対応してもらえます。
そもそも障害年金と老齢年金とは

年金の仕組みを正しく理解するために、そもそも障害年金や老齢年金とはどのような制度なのか、改めて整理して紹介します。
障害年金とは病気やケガで支障が出た場合に受け取れる年金
障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取れる年金です。
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。それぞれ以下のケースで請求できます。
| 年金の種類 | 請求できるパターン |
|---|---|
| 障害基礎年金 | 病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合 |
| 障害厚生年金 | 厚生年金に加入していた場合 |
また「65歳を過ぎてもアルバイトをしているから、障害年金はもらえない(老齢年金しか選べない)」と思い込んでいる方がいますが、それは誤解です。
障害年金は、就労していることだけを理由に、直ちに不支給となるわけではありません。
就労の有無だけでなく、下記も見られるためです。
- 仕事内容
- 勤務時間
- 職場での配慮の状況(残業免除や個室対応など)
- 欠勤
- 業務制限の有無
労働にどの程度の制限が生じているかが総合的に判断されます。働いていても、症状や働き方の実態によっては、障害年金を選び続けられる可能性があります。


老齢年金とは条件を満たせば原則65歳から受給できる年金
老齢年金とは、条件を満たせば原則65歳から受給できる年金のことです。
老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に受給できます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金を受給できる方のうち、厚生年金の加入期間がある場合に、老齢基礎年金に上乗せして受給できる年金です。
厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間などに応じて年金額が計算されます。
障害年金と老齢年金のどちらを選ぶか考えるときに知っておきたい3つのこと

障害年金と老齢年金のいずれを選ぶかは、金額が高いほうを選ぶのが基本です。しかし、それ以外にも意識しておきたい重要なポイントが3つあります。
障害年金は非課税である
障害年金は所得税や住民税がかからない、非課税所得です。一方、老齢年金は雑所得となり、一定額を超えると課税対象となります。
もし受給額がほぼ同じであれば、税金が引かれない障害年金を選んだほうが、手取り額が多くなる可能性があります。
国民健康保険料や介護保険料の算定にも影響するため、手取りベースでの比較が重要です。
障害年金は更新できないこともある
老齢年金は一度受給が決まれば一生涯受け取れますが、障害年金は多くの場合が有期認定です。
1〜5年ごとの定期的な更新があり、その時点での症状や生活状況に応じて受給が継続されるかどうかが判断されます。
症状が改善して「障害の状態ではない」と判断されれば支給が止まるケースもゼロではありません。
そのため、更新できるまでは障害年金をもらい、万が一止まったら老齢年金に切り替えるといった対応をする必要があります。
年金事務所で試算できる
受給額は、これまでの納付状況や障害等級によって一人ひとり異なります。
年金をいくら受給できるか気になる方は、年金事務所に行き、「3つのパターンの受給見込額を出してください」と依頼してください。
職員があなたの記録に基づいて詳細なシミュレーションをしてくれます。
障害年金と老齢年金の併給についてよくある質問
障害年金と老齢年金の併給についてよくある質問に回答します。
Q. 併給する場合にはどのような手続きが必要ですか?
障害年金と老齢年金のどちらかを受給するか決めたら、年金事務所に「年金受給選択申出書」を提出してください。
この書類を提出することで、あなたが選んだ組み合わせで年金が支給されるようになります。年金受給選択申出書は、年金事務所または年金相談センターに用意されています。
Q. 障害厚生年金3級ですが、老齢年金と併給はできますか?
障害厚生年金(3級)を受給している場合、老齢年金を受けられるようになっても、原則として「老齢給付」と「障害給付」は同時に受け取れません。
そのため、いずれかを選択することになります(※65歳以後は例外的に選べる組み合わせがありますが、後述のとおり3級では該当しません)。
65歳以後に例外的に認められる代表的な併給は「障害基礎年金+老齢厚生年金」ですが、3級には「障害基礎年金」がありません(障害基礎年金は1級・2級のみです)。
そのため、障害厚生年金3級の方は、基本的に「障害厚生年金(障害給付)」を受け続けるか、「老齢基礎年金+老齢厚生年金(老齢給付)」へ切り替えるか、の二択になります。
障害年金と老齢年金、迷ったら専門家へ相談しよう
年金の選択は、あなたの老後の生活資金を左右する重要な決断です。制度が複雑で自分で判断するのが難しい場合は、専門家の力を借りてください。
まず、まだ障害年金を受給していない方は、老齢年金を受け取る前に、障害年金の申請が可能か検討することをおすすめします。
障害年金のほうが受給額が多いケースや、非課税のメリットを受けられる可能性があるためです。
私たち「全国障害年金パートナーズ」では、障害年金を受給できる可能性があるか、わずか5分ほどの入力で分かる、無料判定を行っています。
受給額は年間約60万円〜200万円を超えるケースもあります。まずは無料判定で障害年金の可能性を確認してみてください。



