会社が勘違いしているうつ病対策とは? | 社会保険労務士事務所 全国障害年金パートナーズ
From:宮里竹識
代田橋のカフェ、picnicより、、
うつ病者の数は平成23年には95万人となり、
現在にいたるまでうつ病者数は高止まりの状態が続いています。
過労による自殺や労災申請も増え、
労働安全衛生法の改正により従業員数50人以上の会社に
「ストレスチェック」も義務づけられることが決まりました。
マクロミルが働く男女1000名を対象にストレスを感じるか調査したところ、
84%の人がストレスを感じていると答えました。
また、その理由を聞くと、
●仕事内容(60%)
●家族関係(30%)
●経済問題(30%)
●その他
という結果になりました。
このような状況の中、
企業もうつ病対策に取り組んでいるところが増えてきました。
その中で最近注目されているのが、
アロマテラピーなどのリラクゼーションサービスです。
働くストレスを軽減してうつ病を予防することを目的に
大企業や大きなオフィスビルなどで活用される例が増えてきました。
ちょっとリラックスすることで体の緊張をほぐし、
また仕事を頑張れる。
一見良いことのように見えますが、大きな勘違いです。
それは働く人の立場に立って考えると分かります。
会社は仕事をする場でありストレスがたまる場所ですので、
ストレス解消をするなら会社の外で行いたいと思うものです。
リラクゼーションルームでのんびりしているところを
上司や同僚に見られるかもしれない、
そんな状況でリラックスできますか?
オンとオフはしっかり区別したい、
忙しくて休んでいる時間がない
という人も多いでしょう。
そもそも過重労働や職場での人間関係がストレスの原因なのに、
それをそのままにしていては問題解決になりません。
なので、安易にリラクゼーションサービスを導入する企業は
問題の本質が分かっていないといえます。
もちろん、リラクゼーションサービスそのものが悪いわけではありません。
やるべきことの優先順位の問題です。
私個人は、まず最初にやるべきは「利益を出す仕組み作り」だと考えています。
過重労働を避けるために人を雇うとか下請けに出すとか思いがちですが、
そんなお金がないから今いる人員で何とかしようとしているのです。
理想論では生きていけません。
経営者がやるべきことは会社の利益を出すこと・その仕組みを考えることです。
利益が出れば人を増やして一人当たりの業務量を減らすこともできるし、
リフレッシュのための福利厚生に予算をかけることもできる、
従業員の給与を上げることだってできます。
まずは利益をださなければ何もできないのです。
それが経営者が最初にやるべきことです。