うつ病による障害年金専門の社会保険労務士事務所

2-6.傷病手当金と障害年金


うつ病で会社を休業した時、
最も簡単に受け取れる給付金が傷病手当金です。

傷病手当金とは、
健康保険に加入している人が、
仕事以外のケガや病気のため働くことができず、
会社から給与が支払われないときに、
その療養中の生計を保障するために支給される保険給付です。

この傷病手当金は、
うつ病で会社を休業するような場合にも支給されます。

傷病手当金を受けるためには、
次の4つの要件を満たす必要があります。

 

 

①療養のための休業であること
業務外の病気やケガの治療中であることも必要ですが、
療養が必要であれば自費診療や自宅療養でも大丈夫です。

しかし、美容整形や業務上の傷病などは保険給付の対象になりません。

 

②労務不能であること
労務不能とは、
実際に仕事に就かなかったということとともに、
病状から見て本来従事すべき仕事に就くことができない状態であることをいいます。

そのため、
病気やケガは休業を要する程度でなくとも、
遠隔地で通院のため事実上仕事に就けない場合や、
医師の指示により休業した場合等も労務不能と判断されます。

 

③連続3日以上休んでいること
傷病手当金は、
療養のために仕事に就けなくなった場合、
その日から起算して3日間の期間をおき、
4日目から支給されます。

この最初の3日間を「待期期間」といい、
療養のために仕事に就けない日が3日連続して初めて待期期間が完成します。

待期期間という仕組みが設けられているのは、
仕事に就けないのがごく短期間であれば
すぐに生活に困る心配をする必要がないこと、
仮病やずる休みによる傷病手当金の不正受給を防止するためです。

連続して3日間休んでいる必要があるので、
3日目に出勤した場合は待期が完成せず、
その後3日連続で休むことが必要になります。

いったん待期が完成した後は、
療養のために仕事に就けない日が連続していなくとも、
休んでいる日ごとに傷病手当金が支給されます。

待期の3日間については、
給与の支払いがあったかどうかは関係なく、
療養のために仕事に就かなければいいので、
有休を取っていたり会社の休日があっても待期期間として参入されます。

また、待期期間の初日はいつかという問題ですが、
それは労務不能になった日となります。

たとえば、
業務時間中に気分が悪くなり救急車で運ばれた場合は、
その日が1日目として計算します。

ただし、
労務不能になったときが業務終了後である場合は、
翌日が起算日となります。

 

④給与の支払いがないこと
傷病手当金は生活を保障しようとするものですから、
会社から給与が支払われている間は支給されません。

ただし、給与が支払われていても、
休んでいるため減額され、
その額が傷病手当金より少ないときは、
その差額が支給されます。

 

次に、
傷病手当金が受けられる期間と金額、
退職後の傷病手当金などについて説明していきます。

 

【支給期間】
傷病手当金は、
その支給が開始された日から起算して1年6ヶ月が支給の限度とされています。

この1年6ヶ月は、
通算して1年6ヶ月分が支給されるという意味ではなく、
暦の上で計算された1年6ヶ月という期間です。

支給開始の日から起算して1年6ヶ月経過すれば、
その日以降は傷病手当金は支給されませんし、
間に出勤日があったとしても1年6ヶ月が延長されるわけでもありません。

 

【支給額】
支給額については、
1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/30相当額。10円未満の端数は四捨五入)の
2/3相当額(1円未満の端数は四捨五入)となります。
少しわかりにくい説明だったかと思いますが、
おおよそ給与の2/3が支給されると考えて大丈夫です。

 

【退職後の傷病手当金】
退職後(健康保険の資格喪失後)の傷病手当金を受けるためには、
継続して1年以上の被保険者期間があり、
退職日の前日までに待期期間を完成させ、
離職日に1日でも傷病手当金の支給対象となっていることが必要となります。

継続して1年以上の被保険者期間が必要と言いましたが、
同一事業所に1年以上いる必要はなく、
1日も間を空けていなければ複数の事業所を移動していても
傷病手当金を受給することができます。

退職後に傷病手当金を受けるには、
退職日までに3日間の待期期間を完成させ、
傷病手当金を受給しているか受給できる状態である必要があります。

そのため、
休み初めて3日目で退職した場合は、
待期期間を満たしておらず、
傷病手当金は受給できません。

4日目で退職した場合は待期が完成しているので
傷病手当金を受給できることになります。

そのため、病気やケガが原因で退職する場合、
休んだ日数によって傷病手当金の受給の有無が変わってくるので、
注意が必要です。

支給期間は、
「傷病手当金の支給開始」から1年6ヶ月が限度です。

うつ病に限らず、
障害年金を受給するためには初診日から1年6ヶ月経過している必要があります。

障害年金の支給がはじまるまでは傷病手当金が生活の支えになります。

手続き自体は難しいものではありませんので、
会社の人事担当に相談してみてください。

傷病手当金の給付期間は支給開始から1年6ヶ月が限度となり、
それ以降は支給されません。

また、障害年金の障害認定日は初診日から1年6ヶ月ですので、
通常は傷病手当金と障害年金が二重に支給されることはありません。

しかし、
ケースによっては傷病手当金を受給中に障害年金の受給権が
発生することがあります。

この場合は、
障害年金の方が金額が大きければ障害年金が満額支給され、
傷病手当金は支給停止となります。

逆に、傷病手当金の方が金額が大きい場合は、
障害年金は満額支給されるものの、
傷病手当金は障害年金の額を差し引いた金額が支給されることになります。

ただし、次のような場合は傷病手当金と障害年金の併給調整はありません。

 

【ケース1】
国民年金のみに加入中にうつ病を発症し障害基礎年金を受給している人が、
就職後に同じうつ病で傷病手当金を受けた場合は、
傷病手当金と障害基礎年金が両方支給されます。

 

【ケース2】
うつ病で障害年金を受給している人が他の傷病で傷病手当金を受けるなど、
障害年金と傷病手当金の支給事由となった傷病が異なる場合には、
併給調整されず両方が支給されます。

 




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