「あなたはあなたのままで良い」グレアム・ムーア氏の短いスピーチに世界が注目! | 社会保険労務士事務所 全国障害年金パートナーズ
From:宮里竹識
下北沢の自宅より、、
2015年2月22日、カリフォルニア州ロサンゼルス市で
第87回アカデミー賞の授賞式がありました。
主要6部門のノミネート者が白人で占められていることに対して
批判の声があがるなど、ちょっとした騒ぎはありましたが
素晴らしい映画や出演者・監督などが勢揃いしました。
普通なら作品賞や監督賞が注目されるのですが、
私は脚色賞に注目しました。
脚色賞をとったのは『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
という映画のグレアム・ムーア氏。
このムーア氏は、10代ころから鬱病と闘っています。
彼が脚色賞を受賞したときのスピーチは1分にも満たないものでしたが、
とても印象的なものでした。
https://youtu.be/vGF8bzeRwcw
”皆さんありがとうございます!映画の主人公、アラン・チューリングは、このような舞台で表彰されることはありませんでした・・・。
でも、私は今ここに立っています。これは不公平ですよね。
今日はみなさんに、大切な短いメッセージを伝えたいと思います。
私は16歳の時、自殺未遂をしました。他の人と自分を比べた時に、いつも違っていると感じたし、自分の居場所なんてどこにもありませんでした。
でも私はこうやって、今このステージに立っています。
だからこの映画を、そういう子供たちに捧げたい。
自分は変わり者で居場所がないと感じている若者たちへ。
君たちには、居場所があります。そのままで良いんです。
ぼくがそうだったように、必ず輝ける時がきます。
そして、いつか君がこういったステージに立つ時がきたら、このメッセージを次の人たちにつなげて欲しいと思います。
そして、最後に、Stay Wired and Stay Different
(人と違ってたっていい。あなたはあなたのままでいい。)
受賞できたことに感謝します。本当にありがとうございます。”
このスピーチが多くの人に勇気と感動を与えたと、
ニュースで取り上げられていました。
私も同様に熱いものを感じましたが、
同時に別の思いも湧き上がってきました。
”うつ病や自殺未遂という言葉は誰もが知っているのに、
それをカミングアウトすると、なぜニュースになるんだ!?”
というものです。
それは、うつ病や自殺未遂といったことを公表できる人が少ない、
社会がこれらの苦しみを当たり前のものとして受け入れる準備が
できていないからではないか。
今の社会では、自分がうつ病だと周りに言えない人が数多くいます。
私たちはうつ病者に障害年金のサポートを行っていますが、
色んなお客さんがいます。
会社でのパワハラや過労により鬱病になったのに、
会社にうつ病のことを言えないまま退職した人がいました。
また、会社に助けを求めるために上司にうつ病であることを
告げたのに、「他の社員にはうつ病の話はするな」と
言われた人もいました。
うつ病者が偏見をもたれない社会はまだ先にあるようです。
グレアム・ムーア氏のような名スピーチであっても、
良い意味でニュースにもならないような社会、
当たり前に障害者が活躍できる社会がくることを願います。