最近気になる障害年金の差し戻し

最近私たち全国障害年金パートナーズにくる相談で増えているのが、
「自分で書類を年金事務所に出したが、不備があって書類を返された」
「審査結果に納得がいかない」
というものです。
これらの原因には、次の三つが考えられます。
まず一つ目の原因が、年金事務所や市町村の担当者に実務経験が不足している
人が窓口対応をしているという現状もあります。
もちろんすべての役所がそうではありません。
実務経験豊富な方が対応してくれることもあります。
しかし、年金相談のメインは老齢年金となりますので、
役所の相談員も老齢年金は詳しいけど障害年金はさほど詳しくない
というケースが多いのです。
その結果、年金事務所によって、担当する窓口職員によって
対応の質が大きく異なっているのです。
うつ病者が自宅を出て人混みの中年金事務所に行くこと、
初めて会う窓口職員と話をすることはとても勇気のいることです。
それなのに口頭だけの説明やこちらの理解に配慮しない早口での説明、
知識不足による誤った説明を受けることさえあります。
本来障害年金を受給できるはずなのに、
年金事務所の窓口で断られたというケースもあるのです。
二つ目の原因が、うつ病者本人やご家族の認識不足です。
ただでさえうつ病により理解力が低下していたりコミュニケーションが
困難になっている状況で専門的な話をされてもよく分からないことが
多いのです。
でも中々相談員にうまく質問することができない。
そんな状況で作成した障害年金の請求書等は不備が多くなるのです。
三つ目の原因は、二つ目とは逆にうつ病者やご家族の過信です。
例えば、主治医に障害年金の対象になると言われて安心し、
請求書や申立書を書きさえすれば障害年金は支給されると
思い込んでしまうケースです。
障害年金は、年金の専門家である社会保険労務士でも
本当に理解している人は限られるくらい専門性の高い分野です。
5万人以上いる社会保険労務士の中で、
実際に障害年金の手続きを行ったことのある人は１％もいないのです。
年金事務所から書類を返された人からコンサルティングの依頼があったので
請求書等を見るとやはり不備がありました。
一つ一つ指摘して修正ポイントをまとめていると、
「ここまで考えなければならないんですね。私一人では無理でした」
というコメントをいただきました。
最近はちょっとした不備でも書類を差し戻されることが
増えてきた気がします。
できれば専門家に任せた方がよいのですが、
ご自分で手続きされる場合は別の記事で診断書や請求書、申立書などの
チェックポイントをまとめていますので参照してください。
⇒診断書について
⇒年金請求書について
⇒病歴・就労状況等申立書について