ダイエットに成功した人と失敗した人、どちらがうつ病になりやすいと思いますか? | 社会保険労務士事務所 全国障害年金パートナーズ
多くのテレビや雑誌でやせている人がもてはやされる現在、
あなたも一度はダイエットに挑戦したことがあるかもしれません。
ジムに行っての筋トレやジョギング、食事制限、
通販で売られている様々なダイエット器具。
やせたい、綺麗になりたいという欲求は誰しももっています。
多くの肉体的負担、または経済的負担を乗り越えてダイエットに成功した人
もいれば、残念ながら失敗してしまったという人も多いかと思います。
そこで冒頭のクイズですが、
ダイエットに成功した人と失敗した人、
どちらが鬱病にかかりやすいと思いますか?
少し考えてみてください。
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いかがでしたでしょうか?
ダイエットに成功した人がうつ病にかかりやすい
というのが正解です。
というと、ダイエットに失敗した人の方が鬱病になりやすいと
考えた人からは次のような反論があるかもしれません。
「ダイエットに失敗したストレスや、失敗により自分を責めることで鬱病になるのでは」
「ダイエットに成功した人は、目的が達成できたので鬱病になるのはおかしい」
このような意見はもっともです。
しかし、50歳以上の肥満の男女2000名以上を調査した
ロンドン大学の研究から、ダイエットに成功した人は
失敗した人に比べて78%うつの症状を訴える人が高いことが分かりました。
その原因は、せっかく痩せたのに内面的に変われなかった自分を責めてしまう
ということだといわれています。
たしかに、ダイエットが成功して体重が落ちれば、
キレイになれる、自分を変えられると思って挑戦する人が多いでしょう。
しかし、少し体重が落ちただけで人生が好転するとは限りません。
テレビや雑誌の成功体験では、
痩せたおかげで彼氏ができた、仕事がうまくいくようになったといったなどと、
良い話ばかりが紹介されます。
よく考えれば分かることですが、
体重が減っただけで自分自身が大きく変わる訳ではありません。
①ダイエットに成功
↓
②見た目が変わることによって周囲の評価が高まる
↓
③自分に自信がもてるようになる
↓
④積極的に行動できるようになり、これまで以上に自分をみがくことができる
↓
⑤どんどん変わっていくあなたをみて周囲の評価が更に高まる
というプラスの連鎖が発生したという人が、
ダイエットの成功者として紹介されるのです。
ただ、実際にはダイエットに成功しても上記①だけで終わってしまい、
周りの人からの賞賛を得られずに②以降が発生しない人もいます。
ダイエットに成功さえすれば人生が変わると信じていた人にとっては、
期待していたことと現実との差に打ちのめされることになります。
このことが、うつ病発症率が高くなる要因となっているのです。
また、食事を制限することで栄養バランスが崩れたことも
原因といわれています。
もう少し具体的にいうと、
気持ちを落ち着かせる神経伝達物質であるセロトニンが不足したことが
うつ病発症率を上げたと考えられています。
このセロトニンは人間の体内では作ることができないため
食事を通じて摂取しなければなりません。
そして、このセロトニンが含まれているのはタンパク質なのですが、
食事制限をしている人はタンパク質が多く含まれる肉や卵・乳製品などを
避ける傾向にあるためにセロトニンが不足してしまうのです。
※このセロトニン不足はダイエットに失敗した人にも当てはまるかも
しれませんが、減量に成功した人の方が長期間食事制限を継続している
傾向にあるため、ダイエット成功者がうつ病になりやすい理由の一つとして
あげました。
過度の食事制限によるダイエットは栄養不足によるリスクを考えると
望ましくはありません。
やはり適度な運動と適切な栄養摂取がダイエットの王道ですね。
また、ダイエットで得られるのは健康と自己満足くらいだと
思っておいた方が無難です。
スリムになってモテる、周りの評価が高まるかは
分かりません。
他人の評価は自分でコントロールできるものではないからです。
そうなったらいいな、
くらいにしておきましょう。
うつ病の予防・治療にはストレスを溜めないことが重要です。
そして、過度のストレスをためないためには、
「他人に期待しすぎないこと」
「相手に求めすぎないこと」
がとても有効です。