うつ病で自ら命を絶った場合、「自殺」と呼ぶべきか? | 社会保険労務士事務所 全国障害年金パートナーズ
2014年8月11日、ハリウッドスターのロビン・ウィリアムズが亡くなりました。
スタンダップ・コメディアンとしてスタートしたロビン・ウィリアムズ、
「ミセス・ダウト」や「グッド・ウィル・ハンティング」など
数々の名作に出演し、ハリウッドでは欠かすことのできない俳優の一人でした。
彼は重いうつ病を患っており、
死因はうつ病による自殺と報じられていました。
彼の死を悼むコメントが多数あったのですが、
興味深い記事が一つありました。
⇒うつ病による自殺は「自殺」ではなく「病死」だ
この記事によると、
「うつ病は病気で、その死は病気がもたらしたものなのだから、自殺、と
言わないでほしい。うつ病による死は「病死」としてほしい」
と欠かれています。
また、
「自殺という言葉は嫌いだ。自分を殺す。殺人犯みたいな言い方だ。
なんていじわるで、微塵も思いやりがないんだろう。
その人が一生懸命に、りっぱに生きてきたことを全否定するその言葉。
その人の生前の苦しみも葛藤も、知らん顔して、なんて言葉だ。」
というコメントにとても共感しました。
これまでずっと鬱病で辛い思いをしてきたのに、
自分を殺すということが最後というのはあんまりですよね。
では、鬱病で自ら命を絶ったときには、
「自殺」と呼ばずに「病死」または「自死」と呼ぶべきでしょうか?
かなり悩みましたが、
やはり私は「自殺」と呼ぶべきだと思います。
なぜなら、病死や自死では
自ら命を絶つことへのハードルが下がってしまう気がするからです。
私たちは、人を殺すことは悪いことだということを
みんな知っています。
自分を殺すこともいけないことだと理解しています。
「自殺」という言葉に含まれる「殺」という字は、
容認しがたいイメージをもつ字であると同時に
自ら死を選ぶことを抑制する効果もあると思います。
どんなにつらい思いをしても、
家族は遺族になりたくないのです。
もちろん、家族以外の友人・知人・恋人等もみんな同じです。
自殺を病死・自死と呼べば言葉はやわらかくなるかもしれませんが、
安易に「病死」を選んでしまうことが心配です。
だから私は、これまでどおり自殺は自殺と呼ぶことにします。
最後に、ロビン・ウィリアムズが「いまを生きる」という映画で語った
言葉を紹介します。
”きょうを楽しめ。自分自身の人生を、忘れがたいものにするのだ”
偉大なる俳優、ロビン・ウィリアムズの冥福を祈ります。